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デジタルとアナログの間を行ったり来たり

ITテンシになりたい

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 マトリックスの映画を話題にしていたときだったか、面白いことを教えてもらった。

「トリニティ(Trinity:ネオの恋人)の意味知ってる?」
「なになに?」

 答えは日本語でいうところの「三位一体」。近年では「三位一体の改革」でその表現が広まったが、本来はもっと奥深い意味があるそうだ。

「キリスト教でGodとは3つある。あててごらん」

 そう問われたものの、答えられたのは「ジーザス」くらいで後は頭を抱えてしまった。あてずっぽうで「天使」と答えてみると「ブー。それはメッセンジャー」。結局お手上げだったので答えを教えてもらうと、「父なる神(The Father)、息子なるキリスト(The Son/Jesus)、聖霊(The holly spirit)」だそうだ。

 別々の存在みたいだが、これらすべてGodらしい。宗教の発展過程で呼称が割れてしまったもののキリスト教は一神教なのでつじつまを合わせるための概念だろうかと思えた。また日本語の「三位一体」という訳はすでに別の存在を無理矢理1つに束ねるようなイメージだが、三面性という言葉のほうがしっくりくるような気もする。それなら視点や場面で姿が違っていても存在としては同じとイメージしやすそう。

 それにしても天使を介さないと人間は神とは話せないのか。教えてくれた人は「直接話すと死んでしまうから」と笑った。なぜだろう。神の周囲は超高熱だったり強力な電子波があったりするのだろうか。でもキリストがこの世にいた時は普通に人間と話せていたのでは。ところでキリストって死んだのは1回きりなのかと質問すると、相手はちょっと悩んで「そう」と答えた。一度死んで生まれ変わったのに、今は地上にはいない。いつ地上から消えたのか。それは死ではないのか。なんてことを漠然と話していた。

 いろいろと勉強になったが、印象深かったのは天使の役割だ。天使とは伝達役だったのか。羽が生えていてふわふわ飛んでいるだけではないと認識を改めた。メッセンジャーというとチャットとか自転車による書類配達業務を連想してしまうが、それが本業だったとは。

 情報伝達役か。日ごろあらゆる場面でコミュニケーションの大切さを実感するなか、その役割には心惹かれる。人間はうまく感情が伝えられずにもどかしい思いをしたり、誰の言うことが正しいのか悩んだりする。人間の意思疎通だけではなく、学術や政治の場面でも情報の妥当性で常に議論となる。情報はあればあるほど悩みも増えるが、情報がないのも危険である。

 いっぽう自分の本業を顧みると、一視点に過ぎないかもしれないができるだけ有用な情報を伝えようと心がけている。知ることで少しでも役に立てばと。これはこれで微力だが伝達役である。この伝達役の究極のシンボルが天使と知り、天使に興味を持つようになった。いま携帯のストラップにはラファエロの天使がいる。肘をついて上を見ているやつだ。

 そんなことを頭の隅に浮かべながらこう話したら、あっさり笑われた。まあ当然だろうけど。ははは。

「ITMediaにはITセンシがいるから、私は@ITのITテンシになりたいな」

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