新政権発足と国民主権について
本日、民主党の鳩山政権が誕生しました。8月25日の衆議院選挙以来、新政権への期待はドンドン高まっています。私自身も現実的な政権交代の姿が見たいと思っていたので、今日と言う日を楽しみにしていました。聞くところによると、鳩山首相は歴代初の「理系」総理大臣になるとか。ここはひとつロジカルな問題解決を期待したいところであります。ともあれプロジェクト単位の仕事を続けている身としては、新しいことが始まる、というだけでワクワクしてしまいます。
しかし、テレビ報道などで、たまに道端で国民が政治に文句や意見、要望を言っているシーンを見ると、何か、どこかで自分自身見たことがあるような、体験したことがあるような感じを覚えることがあります。
何だろう、何だろう、と考えているうちに直ぐに思い出しました。これは破綻しかけのプロジェクトにPM/PMOとしてアサインされたときの状況と同じではないか、と。PM/PMO=政治為政者、メンバー=国民と仮定してみるとよくわかります。PM/PMOとして世直し、もといプロジェクト建て直しをします、という意気込みでプロジェクトに乗り込むと、多くの苦情と要望にまみれることになります。
「トップに計画性がないから悪いんだ」
「方針を具体的に示してくれないと動けない」
「オレ達の要望を聞いてくれないじゃないか」
「誰かがとにかく調整して解決してくれ」
メンバーがストレスに潰されかけているとは言え、こうなると悲しい状況は続きます。私は個人的にこの手の案件で大きく成功した例と失敗した例がありますが、成功するには、メンバー個人がそれぞれ状況を改善する意識を持つことが不可欠です。それを持たせるものリーダーの役目という言い方もできますが、最終的には個人の意識はそれぞれの責任で高めなくてはいけないと思います。
ですから、政治についても、結局は国民が責任を負うべきと思います。「子育ての支援金がほしい」「高速道路を安くしろ」「税金は上げるな」「医療を安くしろ」・・・と。旧政権に不満を持っているひとたちのそういう要望は理解できるし必要なこととは思いますが、要望を言う前に考えることがあると思います。
まずこれだけの安全な社会を作ってくれたこと、テロの心配がほとんどない社会であること、学校に普通に通えること、戦争を回避してくれていること。。。私も経験上子育ての大変さはわかりますが、戦時中に一家の主を戦争にとられても何人もの子供を育てた時代もあったわけだし、仕事が大変だ、といっても、リストラ以前に会社も家も丸焼けになった時代もあった。官民一体で頑張ってきた歴史があります。自民党だって頑張ってきました。
今回の新政権誕生において、鳩山首相は、「国民主権」というコンセプトを改めて打ち出しました。記者会見では、「いろいろな試行錯誤の中で失敗することもあると思う。国民にもご寛容を願いたい。辛抱強く新しい政権をお育て願えれば幸いだ」と言っていたとのこと。
いい国にするために、自分のできる仕事をこなし、地域に目を向け、税金を納め、社会人たる義務をこなしていきたい。微力ながら自分が社会にどういう貢献ができるのか。新政権発足とともに、改めて自分に問い直したい気分になりました。