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外資系金融機関を担当する経営コンサルタントの活動記録 ~ プライスウォーターハウスクーパースの高橋正敏です。

業務プロセスは複雑になっていくのが普通

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ビジネス・コンサルティングのソリューションのなかでも比較的馴染みの深いものとして、BPRBusiness Process Re-engineering)というものがあります。簡単に言うと、企業の仕事をいくつかの塊に分類し、業務の流れを明確にして、そこで効率化を阻むものを抜き出し、改善を策定・実施するというものです。

仕事は状況に応じてドンドンやり方が変わります。外的要因に対応するため、業務プロセスを見直しましょう、という話になると、基本的には「引き算」より「足し算」を訴えるほうが勝ちます。ここでひとつ、こういうプロセスを追加しましょう。ここでひとつこういう書類が必要になります。という話になりがちです。そういうときに、「こんなプロセスは不要じゃないの?」と言えたら大したものですが、なかなかそうはいかない。

そして、業務が複雑になり、従業員に不満が出たり、仕事が遅れて財務的に響きだしたりすると初めて、「何でこんなことしなくてはいけないの?」「もっと効率的な方法はないのか?」という話が出てきて、「では業務の流れを見直して再構築しようかね」ということになります。

問題は、その「見直し」の機運が高まるまでの時間です。非効率な仕事のやり方をしていて、財務的に影響が出るまえに、現場の社員の士気に影響がでます。それはなかなか経営陣には伝わらないと思います。

財務的な影響を感じるまえに、「業務の簡素化の進捗」「現場社員の幸福」を常時モニタリングしていただくよう、経営者の方々には、(自分の仕事を抜きにしても)お願いしたい次第です。

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