Kinora (キノーラ) :動画機器の起源から④
初心者向け動画セミナーの講師をする機会を7月初旬にいただいたのですが、
時間の都合などの理由から、話し足りなく感じた部分を補わさせていただき整理しています。
動画機器の起源 は、2つの種類に大別されると言われるのですが
今回は 「紙形状のもの」 について、まとめさせていただきました。
誰もが学生時代に一度は教科書等の端に絵を描いて息抜きした経験があると思いますが、
連続した静止画を重ねた束をパラパラめくって見ることで、その残像から絵が動いて見える
原始的なアニメーションの仕組み、いわゆる パラパラ漫画 です。
特に印刷したものを Flip Book(フリップブック) と呼ぶ傾向にある様子です。
商業的には 1868年のイギリスの印刷業者 John Barnes Linnett が考案したとされます。
印刷を伴っているためか、比較的後に制作されたものとして紹介されますが
実際に、昔から存在していた だまし絵 あるいは 隠し絵 と呼ばれるものの中に
静止画に動きを与える工夫や仕組みが数多く存在しており、それらの技術が
動画機器へ与えた影響は小さくは無かったと考えられています。
*** Mutoscope (ミュートスコープ)
1894年には米国の発明家 Herman Casler によって
Flip Book の仕組みを応用したアニメーション装置としての
Mutoscope (ミュートスコープ)が開発されました。
*** Kinora (キノーラ)
もともとは「映画の父」として有名な豪リュミエール兄弟により考案された様子ですが
1912年には英国企業が一般家庭向けの動画鑑賞機器として人気を博しました。
kinora (キノーラ)は東京では港区六本木の東京ミッドタウン内フジフィルムスクエアに実機が置かれており、実際に触って動画を楽しむことができます。
** 参考外部リンク
Flip book.info (フランス語)
Wikipedia - Mutoscope (英語)
The Kinora: motion pictures for the home 1896-1914