狂ったダイヤモンド
「あなたがここにいてほしい」「おせっかい」と、リック・ライト追悼のブログエントリーが続いているので、リック・ライト好きでは誰にも負けないつもりのわたしものっかります。
わたしはもともとキーボードやシンセな人なんですが、一番の目標にしていたのは、実はリック・ライトなのであります。弾きすぎない、出しゃばらない、手癖がでる、ちょっともたる、白玉好き、ただし音色にはめちゃくちゃこだわる……。そんな彼のサウンドに少しでも近づきたいと思って、ニコニコ動画やYouTubeに投稿するときにも、偽ピンク・フロイドというか、偽リック・ライトっぽくなってしまうのでした。
彼っぽい音色を出そうと思ってシンセを買ったのが、いまの自分に直結しているんですよね。
リック・ライトの作った音色で特徴的なのが4つあります。
まずは、「おせっかい」の大作「Echoes」のサブマリンピアノ。これをどうやって作ったかというのは1つのエピソードになっていますよね。
次の3つは、アルバム「炎〜あなたがここにいてほしい」に含まれています。まず、そのトップを飾る「狂ったダイヤモンド」のストリングスシンセっぽいサウンド。これがフェードインしてきただけで、ググっと引き込まれていきます。Gm。ひたすらGm。わたしのGm好きはここから始まったといっても過言ではありません。
このストリングスシンセの音は、VSTiで専用のソフトシンセが出ていたほど特徴的。いまは見つからないのですが、どなたか置き場所を知っている人はぜひご一報を。名前はCrazy Diamondだったっけかなあ。
そして、そのストリングスサウンドをバックに出てくるホーン系リード。すごく深みのある音。シンセのホーンサウンドといえば、これと、TOTOホーンの2つが代表するものといっていいのではないでしょうか。
4つ目は、「マシーンへようこそ」のシンセリード。むちゃくちゃぶっとい音で、不定形のモジュレーションがかかっている。レゾナンスも相当にかかっている。シンセでリードをとるならば、一度はやってみたいサウンドです。
そんな数々の名音色、名プレイを残してくれたリック・ライトも、空の彼方に行ってしまいました。きっと、空でグレートなギグをしていることでしょう。シド・バレットのエッヂーなギターに合わせて。
リックが「虚空のスキャット」をやろうとするのに対し、ボーカルをシドが歌えないというのを想像したり、「星空のドライブ」を2人で合わせてたりとか考えると笑えたり泣けたり。
今は廃盤となっているリック・ライトのソロアルバム「Wet Dream」の、くぐもった彼のボーカルを聴きながらそんなことを考えているのでした。