KORG DS-10製品版はリアルタイム演奏ができる
DS-10の開発者インタビュー時にはできていなかったことが、製品版では実装されていたことが分かりました。この違いはけっこう大きいのです。
DS-10インタビューのときには、β版を触った上で感想や要望を伝えたりしたのですが、そのときには、DS-10はリアルタイムで演奏というよりは、「常にクォンタイズがかかった状態」での演奏であるという認識でした。つまり、設定されたBPMでのミニマルステップのどこかに常にあった演奏になっていたのです。
――処理関係でもう1つ。タッチペンを押したときにリアルタイムで発音する仕組みではなくて、シーケンサーのタイミングに合わせて発音するようになっているんですよね。井上 そうなっていますね。シーケンサーの頭で発音をとるようにしています。シーケンサーが止まった状態のときはタッチと同期して発音させることはできます。
佐野 レコーディングした後のことを考えて、プレイしているものとレコーディングした結果を同じにしよう、という考え方です。
――リアルタイムでクォンタイズ(演奏のタイミングのずれを修正する機能)がかかっているような感じですね。
佐野 そうです。楽器が上手でない人がこれを使うとうまくなったような気になるんです。そこに着眼して、気持ちよさを第一に、みたいな。
製品版では、特定のモードの場合のみ、画面へのタッチがリアルタイムで反映される、「リアルタイム演奏」ができるようになっています。
具体的には、KBD(キーボード)モードで、スタート/ストップボタンをオフの状態にして演奏すると、実際に弾いたタイミングで発音するのです。
これで、ほかのアナログな楽器と合わせたリードシンセ演奏ができるようになりますね。ただし、スタイラスを使った、ミニミニ鍵盤での演奏であり、鍵盤数も少ないので限度はありますけど。
もう1つの演奏モードである、KAOSS(カオス・パッド)は、このリアルタイムモードは装備されておらず、BPMに合わせた演奏のみになります。
KAOSSILATORではゲートアルペジエイターをオフにすると、カオス・パッドのモードでフリーなリアルタイム演奏ができてたんですが、DS-10には実装されていません。ちょっと残念な気はしますが、リアルタイム演奏を1つでも実装してくれたことを感謝しなければいけませんね。まあ、そこまでやりたいんならKAOSSILATORも買え、と。そうです。両方買いましょう。
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