iPhoneをHSDPA対応にする「本末転倒」手法
大きく出てしまいましたが、いちおうはそういうことが可能になりました。つまり、HSDPAのデータ通信を使ってインターネットアクセスして、それをWi-Fi共有できればいいのです。
別にこれはiPhoneに限定して言っているわけではないのです。iPhoneのようにWi-Fi経由でしかインターネットアクセスできないデバイスがWi-Fiのアクセスポイントにしばられているため「事実上使い物にならない」という場面が多いことを嘆くユーザーが多いため、発奮してしまいました。
わたしはどうもこの手のデバイスに弱く、古くはHandspring Visor PrismにWi-Fiアダプタを付けたり、最近ではPSPのWi-Fi機能を使ってポッドキャストを直接聞いたりといったことをしていますが、こういったものを外に連れだすときに、アクセスポイントにしばられたくないときってけっこうありますよね。myloなんかも、そういう環境さえあればもっと普及するのに、と思うのですけど。
能書きが長くなりましたが、方法はこうです。
用意するもの:
・小型PC(ここではVAIO U3)
・イー・モバイルのHSDPAデータカードD01NE
・モバイルWi-FiルータBelkin Traveler
Mac OS Xにはインターネット共有という機能があって、モデムであろうがイーサネットであろうが、インターネット接続できているものがあれば、それを別のイーサネット、Wi-Fiで共有できるという機能があるんですけど、Windowsにはそれに相当するものはないんですね。サードパーティー製も含めてそういうものがないかと探してみたんですが、みつからないのです。
AP機能が付いているUSB無線LANアダプタもあるんですが、試したものはすべて、ソースとなるネット接続がイーサネット固定となっているのです。Mac OS XならモデムでもイーサネットでもBluetoothでもOKなのに。
そこで考えたのは、モバイル型のWi-Fiルータならどうにかなるのでは、ということ。探したらありました。Belkin Travelerという製品は7000円と比較的安く、軽量で、USBパワーで動作します。PC側との接続はイーサネットにして、PC側のD01NEのモデム接続をイーサネットでシェアするように設定しておけばいいのです。
これで、「定額でどこでもHSDPAでWi-Fi接続」が可能になりました。EM・ONE以外でそんな環境を構築してみたい人は試す価値があると思います。
というわけで、理論上はiPhoneをどこでもHSDPA接続できる、というわけです。
PHSを使って、もっと手軽にWi-FiモバイルAPを構築する方法は、えりえりさんが書かれていますので、ぜひご覧ください。
同じ方法でD01NEが使えないか、メーカーのネクストマジックに問い合わせてみたのですが、PCカードの仕様により不可。CF版なら可能性もあるけど、うまくいかなかったとのことです。でも、これからいろいろ試してみるそうなので、ひょっとしたら、わたしの方法よりもはるかに簡便なやり方で、「HSDPAでどこでもiPhone」が可能になるかもしれません。