ハイパースケールデータセンターの容量、生成AIの加速で2030年までに3倍に増加
Synergy Research Groupが2025年1月9日が発表した新しいデータと予測によると、今後4年間に開設されるハイパースケールデータセンターの平均容量は、現在稼働しているハイパースケールデータセンターのほぼ2倍になる見通しになると予測しています。
Hyperscale Data Center Capacity to Triple by 2030, Driven by Generative AI
この市場のトレンドは、これまでもハイパースケールデータセンターのIT負荷が時間とともに増加してきたことに加え、生成AI技術やそのサービスが大量の電力を必要とすることで加速しています。一方、データセンターの平均IT負荷が増加する中、稼働中のハイパースケールデータセンターの数も着実に増え続ける見込みです。また、既存のデータセンターを改修し、容量を強化する動きも一部で見られます。このような状況の中、稼働中のハイパースケールデータセンター全体の容量は2030年までにほぼ3倍に拡大すると予測しています。
主要クラウド事業者のデータを分析
今回の調査は、Synergy Research Groupが世界の主要クラウドおよびインターネットサービス企業19社のデータセンターのフットプリントと運用状況を分析した結果に基づいています。これらの企業は、SaaS、IaaS、PaaS、検索、ソーシャルネットワーキング、eコマース、ゲーム分野で最大手のオペレーターであり、シナジーの基準を満たすハイパースケール事業者とされています。2024年末時点で、これらの企業は世界中で1,103の主要データセンターを運用しています。さらに、Synergy Research Groupでは、調査中の将来のデータセンターパイプラインには、497の施設が含まれており、これがシナジーの予測モデルの主な入力要素の1つとなっています。
市場の変化とGPUインフラへのシフト
シナジーリサーチグループのチーフアナリストであるジョン・ディンスデール氏は次のように述べています。
稼働中のハイパースケールデータセンターの数は、この5年間で倍増しており、今後も着実に増加し続けるでしょう。しかし、市場で最も顕著な変化は、新たにオンライン化されるデータセンターの容量がますます増加していることです。この数式は複雑で、旧施設と新施設、地域別、所有施設とリース施設の混在が進む中で変化していますが、総じてGPU指向のインフラが、新しいハイパースケールデータセンターの容量を倍増させるでしょう。
今後の展望
ハイパースケールデータセンター市場は、生成AIの急速な普及と、それに伴うデータ処理能力への需要増加により、急速に進化が進んでいます。今後は、容量の増加だけでなく、エネルギー効率や環境負荷への対策もますます重要になると考えられます。また、地域間でのデータセンター分布の不均衡が是正され、データセンターの分散化が進んでいく可能性もあるでしょう。今後もデータセンターの急激が市場拡大が見込まれる中、これらの変化がクラウドサービス市場全体にどのような影響を与えるのか、引き続き動向に注目していきたいと思います。
出典:Synergy Research Group 2025.1.9