アジア太平洋地域(日本除く)でソブリンクラウド市場が急成長:2027年までに3,670億ドルに到達へ
IDCは2024年8月13日 、「アジア太平洋地域(日本除く)のソブリンクラウド市場予測、2022年~2027年」を公表しました。
IDC: Sovereign Cloud Market in Asia/Pacific* to Hit $36.7 Billion in 2027
本レポート「アジア太平洋地域(日本除く)のソブリンクラウド市場予測、2024年~2027年」では、アジア太平洋地域におけるソブリンクラウド市場の初めての予測が発表されました。レポートには、ソブリンクラウド市場の成長を牽引する要因や阻害要因が含まれており、今後の市場動向を詳しく分析しています。
IDCによると、同地域におけるソブリンクラウド市場が急速に拡大し、2027年までに3,670億ドルに達する見込みです。この市場は、2024年に前年比34.3%の成長が予想されており、2022年から2027年までの年間平均成長率(CAGR)は31.5%に達するとされています。
ソブリンクラウドとは、特定の国や地域のデータ保護法や規制を遵守し、データの管理がその国や地域の境界内で行われるクラウドサービスを指します。これにより、データのプライバシーやセキュリティが強化され、政府や企業が求める規制要件に対応できるようになっています。特にアジア太平洋地域では、デジタル主権に対する意識が高まり、各国が独自のクラウド戦略を進める中で、ソブリンクラウドへの関心が高まっています。
ソブリンクラウドは、ハイブリッドクラウド環境においてますます重要な要素となっています。データプライバシーやセキュリティ、規制遵守に対する懸念が高まる中、デジタル主権を確保するためのソリューションとして、クラウド技術の採用が加速しています。特に、データの保護やローカル規制に対応するため、各国政府や規制機関からの要求が増加しており、それがソブリンクラウドの導入を後押ししています。
IDCのアナリストは、
ソブリンクラウドは、デジタル主権の要件に応じたクラウドソリューションを提供する上で、企業にとって不可欠なものとなっています。特にデータプライバシーやセキュリティ、規制遵守の面で、企業がクラウドソリューションの採用を進める大きな要因となっています
と述べています。
IDCの分析によれば、デジタル主権に関する規制や、クラウド技術に対する政府の関与が強化されることで、今後もソブリンクラウド市場は拡大する見通しです。企業は、ハイブリッドクラウド戦略の一環としてソブリンクラウドの導入を進めており、これによりクラウドインフラやサービスプロバイダーの需要が一層高まると予想しています。
出典:IDC 2024.8