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生成AIが世界のクラウド市場の成長を後押しし、第4四半期で過去最高に

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Synergy Research Groupが2024年2月1日に公表した最新のデータによると、2023年第4四半期の企業によるクラウドインフラサービスへの支出は世界中で約740億ドルに達し、2022年の第4四半期から120億ドル以上増加しました。

Cloud Market Gets its Mojo Back; AI Helps Push Q4 Increase in Cloud Spending to New Highs

前年同期比での成長率は20%に達し、前の3四半期の成長率を大きく上回りました。特に、市場は第3四半期から56億ドル増加し、これまでで最大の四半期ごとの増加を達成しました。

2023年通年で見ると、市場は2022年から19%成長。経済的、通貨的、政治的な逆風はいくぶん和らいだものの、生成AI技術やサービスが大きな影響を与え、クラウド支出をさらに後押ししていることが明らかになっています。

クラウドサービス事業者の中でGoogleとMicrosoftが前年同期比で強い成長数値を示しました。Microsoftは世界市場シェアを前年の第4四半期からほぼ2ポイント増やしました。Googleのシェアも増加しました。第4四半期の世界市場シェアはそれぞれ24%、11%でした。

一方で市場リーダーのAmazonは、強力な二桁成長率を維持しながらも、世界市場シェアが31%に下がりました。これら3社のリーダーは、世界市場の67%を占めています。続くクラウドサービス事業者の中で、前年同期比で最も高い成長率を示したのはHuawei、China Telecom、Snowflake、MongoDB、Oracle、VMwareなどです。

主要なクラウドサービス事業者のほとんどが第4四半期の収益データからSynergyは、四半期のクラウドインフラサービス収益(IaaS、PaaS、およびホスト型プライベートクラウドサービスを含む)が737億ドルに達し、2023年の通年収益が2700億ドルに達したと推定しています。

市場の大半を占めるのは公共のIaaSおよびPaaSサービスで、これらは第4四半期に21%成長しました。大手クラウドサービス事業者の優位性はパブリッククラウドにおいてさらに顕著で、トップ3社だけで市場の73%を占めています。

地理的には、クラウド市場は世界中のすべての地域で強く成長を続けており、APAC地域が最も強い成長を示し、インド、中国、オーストラリア、日本が年間20%以上成長しました。米国は依然として最大のクラウド市場であり、その規模はAPAC地域全体を上回っています。米国市場は第4四半期に16%成長しました。

市場状況の改善と生成AIをめぐる大きな興奮を背景に、Synergyは第4四半期のクラウド成長率の上昇を予測していましたが、実際の成長は予想を上回り生成AIが成長の後押しをしています。

Synergyでは、今後もは成長率が安定し、クラウド支出の巨大な年間増加が続くと予測しています。Synergyは、年間市場が間もなく5000億ドルの大台に達すると期待しています。

スクリーンショット 2024-02-06 21.38.48.png

出典:Synergy Research Group 2024.2

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