「交通データ利活用戦略」の方向性について
IT総合戦略本部は、2014年9月26日、「第7回新戦略推進専門調査会道路交通分科会」および「第5回SIP自動走行システム推進委員会」合同会議を開催し、以下のとおり自動走行システムに関わる様々なテーマで議論を行っています。
議事
【1】開会
(1)本日の主旨や議事の進め方説明・構成員自己紹介等
【2】道路交通分科会 ※SIP自動走行システム推進委員会構成員はオブザーバ参加
(2)平成27年度「創造宣言」及び「工程表」関連施策について 【意見交換】
平成27年度 科学技術重要施策アクションプラン特定状況について 【情報共有】
(3)交通データ利活用戦略の進め方について 【意見交換】
【3】道路交通分科会・SIP自動走行システム推進委員会 合同会議
~ SIP自動走行システムの開発推進に係る議論 ~
(4)SIP自動走行システム研究開発計画について 【情報共有】
(5)推進委員会及びWGの体制について 【審議】
(6)研究テーマの進捗状況について 【情報共有】
(7)システム実用化WGの検討状況について 【意見交換】
(8)次世代都市交通WGの検討状況について
1.交通弱者・歩行支援システムTFの進め方 【審議】
2.ARTの企画案 【審議】
3. 2020年東京オリパラ東京大会に向けた科学技術イノベーションの取組みに関するTFについて 【情報共有】
(9)国際連携WGの検討状況について
1.世界の自動運転の動き 【情報共有】
2.国際連携活動の進め方 【意見交換】
3.ITS世界会議デトロイト結果 【情報共有】
4.国内開催の国際会議の企画案 【情報共有】
5.SIP統一スローガン 【意見交換】
~ 両会議体構成員での意見交換 ~
(10)安全運転支援・自動走行システム推進に向けた課題について 【意見交換】
(11)今後のスケジュールと進め方について 【意見交換】
今回は、交通データ利活用戦略に関わる内容を紹介したいと思います。
交通データは、基本方針としては、
短期的には、災害対応等に加え、道路交通安全・円滑化に資するデータの利活用を進めるべく、具体的に対象とするデータを念頭に、「民間保有データの利活用」と「政府保有データのオープン化」をセットで検討を進める。
とあるように、民間保有データの利活用と政府保有のオープンデータ化でのセットでの検討を想定しています。
民間保有のプローブデータ等の利活用に係る事例は以下のとおりで、
災害時の情報提供では、
・警察庁「災害時におけるプローブデータの活用」
・国交省「災害時における情報収集の高度化による初動の強化」
交通事故削減、円滑な交通システムの実現では、
・警察庁「渋滞・旅行時間情報提供へのプローブデータの活用」
新サービスの創出・交通事故削減では、
・「自動車関連情報の利活用」
などの取り組みが紹介されています。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/douro/dai7/siryou3.pdf
政府系機関保有の基盤データに係る公開(オープン化)事例では、
SIP・警察庁:「交通規制情報の活用による運転支援の高度化」、警察庁:「交通情報の提供拡大に向けた交通管制の高度化」、国交省:「ITS 技術を活用した円滑、安全、安心な道路交通の実現への取組」などが紹介されています。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/douro/dai7/siryou3.pdf
中長期的な交通関連データの流通に向けた体制整では、
・ビッグデータの時代において、データ流通構造が、垂直統合型から、オープン化・水平分業化の流れにあり、交通関連データについても、交通分野だけではなく、多様な目的に利用されつつあることを踏まえ、①オープン化、②流通促進の仕組みづくり、③データ取扱い専門機関の在り方の検討を行う。
とあるように、多様な利用を想定したオープンデータ化や分野横断的なデータ流通の仕組みなどの検討を行うとしています。
たとえば、政府保有データや民間(特に公益系)のマクロデータは原則オープン化を推進し、民間保有の個別データなどは個人情報保護等に配慮しつつ分野横断的に有償で取引がなされるような枠組み・仕組みを構築(標準語彙・フォーマット、API の推進など)していくとしています。
交通関連データを活用した平成 27 年度施策の事例としては、
「ビッグデータを活用した利便性の高い公共交通サービスの創出」、「ビッグデータ活用等による地方路線バス事業の経営改革支援」、「歩行者移動支援の普及・活用の推進」などをあげています。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/douro/dai7/siryou3.pdf
交通データは民間事業者と政府が双方で保有しており、また、防災や観光など様々な分野での利活用も期待されてるところで、「交通データ利活用戦略」については、ウオッチしていきたいと考えています。