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データセンター新時代への対応

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日経産業新聞(2010.11.16)に「データセンター新時代(上)」という記事がありました。

データセンター新設の取組みとして、以下の事例をとりあげています。

新日鉄ソリューション
2012年初めに、東京都三鷹市に建設。延床面積約1万平方メートル。総投資額120億円

IIJ
2011年4月に、島根県松江市にデータセンターパークを開設。モジュラー型データセンター。同業他社に貸し出しを検討。外気冷却の使う独自手法で消費電力を4割削減。原子力発電の電源立地交付金などの補助金を活用し、8年間は電気代が半分に。

日本ユニシス
福井県小浜市にサーバ9万台規模まで拡張可能なデータセンターを建設。50億円以上を投資。

さくらインターネット
北海道石狩市に40億円をかけて大型データセンターを建設。

以上の4件がとりあげられています。

 

後半の日経産業新聞(2010.11.17)に「データセンター新時代(下)」では、国境を超えた取り組みについて紹介されています。

米エクイニクス
日本拠点の拡充。2011年末までに都内の既存拠点を拡充。都内で日本で3箇所目の拠点を新設し2011年半ばに稼動。投資額は、合計で7900万ドル。世界90箇所のデータセンター拠点を武器に世界顧客をターゲットに。

通信会社KVH(フィディリティグループ)
2011年度内に千葉県内にデータセンターを新設・稼動。アジア各国に拠点をおくグローバル企業などを対象にクラウドサービスを提供。

セールスフォース・ドットコム
NTTコミュニケーションズが都内に持つデータセンターを活用。マーク・ベニオフCEOが最も信頼できる事業者と判断。

NTTコミュニケーションズ
シンガポール、ベトナム、香港でデータセンター建設を進め、日米欧のグローバル企業向けに通信回線も含めたクラウドサービスの提供拠点に。投資額は計300億円強。

KDDI
テレハウスのブランドで海外12都市で18のデータセンターを運営。3年で総額320億円を投資。海外データセンターの延べ床面積を約7万平方メートルから11万3千平方メートルへ拡張。

日立製作所
省エネ型のデータセンター構築事業を、日本、欧州、中国で同時展開。フルレンジで提供。

 

以上のように、前半部分は、国内における主に郊外型のデータセンターの取り組みが紹介され、後半はグローバルなデータセンター事業の取り組みが紹介されています。

国内での郊外型データセンターの取り組みでは、現在、データセンター国内立地推進のために、各自治体がデータセンターの誘致に向けて積極的な取組みをしているケースが目立つようになってきました。

自治体の誘致合戦、事業者の立地場所の選定、そして、取り巻く事業者の対応、そして、政府の特区創設や報通信利活用促進一括化法の制定など、様々な民間、政府の取り組みが進められています。

また、グローバル事業の展開では、クラウドサービスでは、外資系がリードしているものの、データセンター事業では、コストを抑えつつ省エネや高い信頼性などの「日本品質」を武器にすれば、一定のシェアを確保できるという意見もあります。

クラウドコンピューティングの特徴として、場所を気にせずアクセスできるというメリットがありますが、事業者の収益確保や産業の国際競争力の観点から、国内市場のみならずグローバル市場におけるデータセンター事業の立地戦略などのデータセンター事業の展開は非常に重要な位置づけとなっていくのではないかと考えられます。

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