「Microsoftを大事にしてね」とバルマーさんがつぶやいた
8月に1年以内にCEOを退任すると発表したMicrosoftのスティーブ・バルマーさん。9月の社員大会でのお別れパフォーマンスは彼らしく、思わずもらい泣きしちゃいました(文末に動画を貼っておきました)。
11月19日の株主総会で次期CEOの発表があるかもしれません。
Microsoftを本当に愛しているからこその退任ですが、本当は昨年10月にスタートして今進行中の「デバイス&サービス」企業へのシフトが完了するまで自分で引っ張って行きたかったと、Wall Street Journalの独占インタビューで語っています。
変革を終えたら身を引こうと思ったのに(次期CEO候補の1人、フォードのアラン・ムラーリーCEOはバルマーさんが考えていた後継者らしい)、取締役会から「あんたはのろますぎるんだよっ」と引導を渡されたような形です。バルマーさんの変革アイデアは気に入ったけど、そのスピードは受け入れられないと。
取締役会から再三せかされたバルマーさん、ずっと幹部を巻き込んでスピードアップしようと頑張ってきましたが、幹部も改革に戸惑ってなかなかスピードアップできませんでした。「私が幹部たちを、森を見るより木を見るように育ててしまった」と反省しています。
そんなある日、5月にロンドン滞在中にエアポケットのようにできた自由時間に、初めて引退について具体的に考えたそうです。「Microsoftが変わるためには、これまでのパターンを壊す必要がある。そして、私こそが壊すべきパターンなんだ」
欧州から帰った翌日、取締役のジョン・トンプソンに打ち明けちゃった。6月の取締役会でカミングアウトしたときには、あと数年はとどまりたいと言ったんですが、8月21日の電話会議で1年以内の退任という話になっちゃいました。
まだ一番下の息子は高校生なんですけど。まあ大株主だし、教育費に困ることはないですが。家族は彼がいかにMicrosoftを愛してるかを知っているので、退任すると打ち明けられたときはみんな泣いたそうです。いい家族だ。
バルマーさんには既に次の仕事のオファー(大学講師や息子の高校のバスケットボールチームの監督も含め)がきているけれど、半年は何もしないそうです。
この記事は、バルマーさんが最近の幹部会で次期CEOの話をしながら感極まり、自分の席に戻ってくるっと壁側を向いて小さな声で「どうかMicrosoftを大事にしてね」と言った場面で終わります。うるうる。