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プロスポーツ経営の難しさ

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もう10日ほど前になりますが、東京マラソンを走りました。
初マラソンで4時間30分を目指したものの、結果は惨敗。6時間オーバーでした。
遅くなった最大の理由はトイレ待ちです。2回のトイレでそれぞれ25分待ち。
しかも雨雪交じりの中で、汗をかいた体を冷やすことに。
詳細はこちらのブログに載せました。

さて、昨日ある知り合いに誘われてJリーグの社長さんを囲む懇親に参加することが出来ました。私もプロリーグを目指すチームの代表を、仕事以外のミッションとして持っているのでとても楽しみに参加をしました。

会場は30名ほどの熱心な方が参加されており、それぞれの情報交換などをしていたら、気がついたらもう夜の11時半を回っていました。

さて、その社長さんですが、全くサッカーの経歴のない方。そんな方がどのようにJリーグの社長をなさっているのか興味があったのです。実は私も地域リーグとはいえ、サッカーチームの代表、つまり社長のようなものなのですが、サッカー選手であったわけではありません。

いろいろ話を伺っていて、社長は社長という仕事なのだ、という事で納得しました。つまり彼はプロの「経営者」であり、「サッカー業界の人」である必要はなかったのです。たとえば製造業の社長に銀行から転身した、なんて話はどこにでもあることです。サッカーが特別な訳ではありません。

1時間ほどのトークで分かったことは、収支は厳しいという現実です。そのチームは収入に対して1億円以上の支出をすでにプランされていて、最初から赤字経営です。ご存じの方も多いと思いますが、Jリーグで黒字確保出来ているのは浦和を始めごく少数です。
この社長さんは、サッカーというゲームの話はほとんどされませんでした。むしろいかにビジネスで成功するか、がほとんどでした。

そしてご多分に漏れず「コストカット」の連続。聖域である「育生」までにも手をつけざるを得ません。

昨年、あるプロ野球球団のコンサルティングをしたことがあるのですが、こちらも悩みは収入でした。

収入は大きく分けて2つあります。
広告と入場料です。

この両者をどのように増やしていくか、が経営者の大きな役割となっています。特にサッカーは日本代表の人気低迷が象徴するように、Jリーグの人気も簡単には伸びません。

野球場とサッカー場をイメージしてもらうと分かりますが、全然違うことがひとつあります。広告看板です。野球場はあらゆるスペースに広告が並んでいます。プロ球団との契約で可能となっています。これに対してサッカー場は公営競技場を使うことが多く、制約が多いのです。広告はほとんどありません。当然広告収入には限界があります。

入場者も人気低迷では困ります。野球と違い、サッカーは見ていて余裕がない(いつ点が入るかわからないので目が離せない)ので、飲食もあまり伸びません。
野球場は最初から飲食の設備が作られていて、調理も、あの「ビール・ガール」も充分な設備を持って提供できます。対してサッカーはどちらかというと通路ににわか作り。

野球場は合意すれば設備投資をしてVIPルームを充実させたり、ITを駆使したり出来ますが、公営競技場が主なサッカーはそれもままなりません。

チームが強くなれば収入は増えるが、収入が増えないと良い選手が取れない。とにかく経営者はあらん限りの知力を絞って収入の増大に努めるのです。

子供達の人気スポーツ(男子)は野球とサッカーに二分されます。その比率は年によって逆転しますが、ほぼ同じくらい、という感覚があります。

しかしプロ選手としての収入には、日本では大きく差があるように見受けられます。1億円プレイヤーの多い野球選手に対して、たしかサッカーはちょっと古い情報ですが1,2名だったと思います。

ワールドカップで盛り上がるであろうサッカーですが、ワールドカップだけに注目するのではなく、Jリーグや地域リーグに足を運んでサッカー全般をもり立てていきたいものです。

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