スマートフォンタクシィUberの生みの苦しみ
シェア―の経済は確かに雇われない働き方、プロシューマーにチャンスを与えるニューエコノミーです。
その一つがスマートフォンタクシィ・アプリのUberですが・・・問題も山積みなのです・・
<出所 http://www.boston.com>
登場した時にはかっこよかったんですが・・・・またたく間に世界に拡大して・・・・
またたく間に世界中で摩擦を起こし、批判されています・・・
だから社会革命なのですが・・・・まるで聖書の有難味を潰したグーテンベルグの印刷術見たいです・・
<出所: BBC >
先進国では労働争議やタクシー業界との激しい対立とたび重なる禁止令!!
<出所: ビジネスインサイダー>
そしてインドでは・・・とうとう女性に暴行を加えました・・・・常習者のドライバーでした・・・
うーん。
<出所:http://www.sify.com/finance>
スマートフォンアプリから呼び出すタクシィUber が作りだしたシェアの経済(peer-to-peer economy)が大きな危機に立たされています。Uber は20歳以上の素人運転手と一般消費者とのマッチングによるタクシーサービスです。スマートフォンのアプリから呼び出せます。(但し、日本の現状は既存のタクシー業者と組んでの運用だけです)インドでの女性レイプ事件、米国での運転手組合とのたび重なる争議、タクシー組合との訴訟による欧米各国でのサービス新機騒ぎ、社員が絡むマスコミ対応の不手際など数々の問題が山積みになっています。
■ インドでのレイプ事件はエコシステムの問題
インドの首都ニューデリーで27歳の女性役員がスマートフォンタクシィUberを呼んだところ、レイプ事件が発生しました。その結果、Uber, Ola Cabs やソフトバンクが出資しているTaxiForSureなど全てのスマートフォンからのアプリ・タクシィ・サービスが禁止になりました。米国でも起こったと言う記事もありますが、どうやらインドは別の事情が絡んでいるようです。
欧米や日本のような先進国では成熟社会が到来しており、そこでは女性や子供に対する暴行などは「社会的に糾弾」される文化や仕組み=エコシステムが出来上がっています。従がってインドのような問題はエコシステムで抑制されます。但し、ライセンスを持ったドライバーでは無い素人運転手がサービスする方向なので先進国でも何らかの規制は必要かもしれません。何故ならばUberの中にはクレジットカードを持っていないような人々もいるからです。判り易く言えば身元調査がしっかりしていないと言う批判があります。プラットフォーム企業のフェイスブックやペイパルなどのネットトラブルならば兎も角、同じプラットフォーム企業でもUberの場合は対面サービスです。リアルワールドに対応した仕組みや規制が弱い気がします。ここを何とか解決して欲しいです。UberやAirbnbがつぶれれば、シェア―の経済は大幅に後退します。それは雇われない働き方などを志向する新しい社会にとって、とってもまずいです。
注)成熟社会では女性の後ろに社会の監視が見える心理的効果、一種のパノプティコン効果が働きます。だから男性は紳士的なふるまいを強いられます。男尊女卑のインドなどではパノプテイコン効果が働きません。
■ ハロイーンの滅茶苦茶な価格
Uberの価格は需給関係で決まります。しかし米国の11月のお祭りハロイーンでは、米国女性が20分で約360ドル、別の女性は25分で535ドルと法外な要求をされました。一人はクラウドファンディングに補助金を求めて抗議をしています。いくら市場で価格が決まるとUberなどが主張してもモノには限度があります。株価の上限規制類似の措置は取れないのでしょうか?
■ 労働争議、タクシー業界との戦争
Uberにまつわる労働争議も頻発しています。Uberの運転手は従業員ではありませんが、コンビニとコンビニの本部が揉めているようなイメージです。
タクシー業界との摩擦は既に知られています。
■ プロセス・イノベーションの生みの苦しみ
プロダクトやサービスが新しく立ち上がる場合、特に新しいインターネット(クラウド、ビッグデータ、IoT/IoE)と言った新しいメディアの下で破壊的な新サービスが立ち上がる場合、従来の組織・社会制度や慣習と異なるプロセス・イノベーションが求められます。英国の産業革命が成功した裏には、清教徒革命以降登場したロンドンのコーヒーショプにおける様々なプロセスイノベーションがありました。各種取引所、ロイター電、ロイズ保険や会議、議会運営、紳士としてのマナーなどは全てその所産です。
新しいインターネットがグーテンベルグに代る大きな変化を社会にもたらすと言われている時代、Uberを見ていると市民社会が登場した時のプロセス・イノベーションの生みの苦しみを思い出させられます。フランスはフランス革命後、百年もの間社会の混乱が続き、アノミー(無秩序)と言う用語が生まれ、それらを研究する社会学と言う学問まで登場しています。
さてどうなるでしょうか。