オルタナティブ・ブログ > インターネットの第二の波とソーシャルメディアマーケティング >

テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

スマートホームを制するのはグーグルのネスト開発者プログラムか、アップルのホームキットとMFIプログラムか!!?

»

ネストラボのマット・ロジャースさんはアップル出身の伊賀者

 

Matt-Rogers-Nest

Inside Nest

<出所:WSJ>

 一方アップルの役員グレイグ・フェデリンギさんはロジャースさんの元同僚

 同根の伊賀者同士が二手に分かれて争い合う戦国時代の構図

 

Wwdchomekitlist

 <出所:ビジネスインサイダー>

アップルのホームキット+MFIプログラムがWWDC2014において一世を風靡した後、6月25日からグーグルIO2014が開始されています。その直前にスマートホームの為のネストラボの開発者プログラムが発表されました。煙探知機と温度調節や温度計と思っていたネストラボはスマートホームのハブに変身です。

果たしてどっちが勝つのでしょうか。またグーグルはネストラボを買収してまで何故、モノのインターネットやスマートホームに出るのでしょうか?

 

■  数々のグーグルの失敗:グーグルテレビもネクサス・キューブもAndroid@Homeも失敗!!

 

グーグルは2010年のグーグルテレビ、2011年のAndroid@Home、更に映画のガンツそっくりなネクサスQなどでスマートホームに挑み、見事にことごとく失敗しています。メーカーでは無いグーグルの限界でしょうか。これはまるで嘗てのソーシャルメディアと同じ失敗の連続です。

 

一方アップルはWWDC2014でホームキットを発表し、スマート工業社会におけるネットサービス型総合電機メーカーの姿を披露しました。

 

そしてグーグルIOの直前、ネストラボによるスマートホーム狙いのネスト開発者プログラム発表に至った訳です。

 

もし2014年1月にネストラボの買収に成功しなかったならば、グーグルはアップルに「スマートホーム」で大きな差をつけられ、モノのインターネットから一時的に脱落したかもしれません。モノのインターネット(スマート革命)への対応ミスは命取りになりかねません。

 

ネストラボとしては、アップルにも類似の構想があるのをかぎ付け、これはアップル以外と組んだ方が良いと判断し、グーグルに身売りしたのかもしれません。かくしてスマートホームはアップル出身のいわば伊賀者同士(ネストラボ対アップル本家)の戦いとなりました。ネストラボのマット・ロジャーズさんやトニー・ファデルさんらは皆さん、アップルの出身です。

 

ネストラボもメルセデスベンツや電球のLIFX、家電のWhirlpool、リストバンドのJawboneなど5-6千社と組んでいます。

 

■  アップルの一段階操作、ネストラボの二段階操作の戦い

その特徴はアップルのアイフォンを中心とした一段階での操作(フィリップスの電球などのオンオフ、鍵の開閉など)とネストラボの二段階操作(主人が朝起きるとリストバンドのジョウボウが自動指示をネストに出し、ネストが照明をオンにする、空調をオンにすると言った二段階操作のイメージ)の対決です。(車が自宅に近づくと自動指示がスマートカーからネストに出され、コーヒーを沸かす、お風呂を沸かす、温度設定をするイメージ)

 

アップル     アイフォン・・・>鍵の操作

ネストラボ    ジョーボウ・・>ネスト・・・>照明や空調操作

 

アップルのアプローチは非常にシンプルで現実的です。一方ネストラボのアプローチは高度な半面、曖昧推論などの高度な機械学習プログラムが必要であり、アップルから見れば第二段階のレベルを一挙に狙ったと言えそうです。

 

アップルはアイフォンからシリを使い、ネストラボもグーグルナウに対応させると発表しています。共に音声操作です。

 

果たしてどちらが現実的であり、多数のスマート機器開発者、アプリ開発者、顧客としての生活者に受けるでしょうか。見ものです。

 

注)日本でも昔、新左翼は一段階革命論を唱え、当時日本共産党は二段階革命論を唱えて対立しました。それと良く似ています。^^

 

■  グーグルがモノのインターネットやスマートホームなどに出る訳

将来はわかりませんが、グーグルは現在、9割以上の売り上げを検索広告で得ています。ところがモノのインターネット時代になれば、検索の為されようが大きく変わってきます。例えば以下のような高度なレベルの質問が来ます。もしグーグルが対応できなければ、早晩、スタートアップ企業がグーグルの広告ランチを食べてしまいます。(地図検索などでは不十分な時代が直ぐ来ます)

 

検索例1)私のペットの居場所を探して!!  

 

   ペットがウエアラブルデバイスを付け、GPS検索出来ればペットの居場所は探せます。当然、室内にいればネスト経由でウエアラブルに指示が行きます。

 

検索例2)私の部屋の鍵が無くなったけど探して!!

   鍵にタイル(モノのウエアラブル機器)のようなウエアラブル機器が付いていれば、屋外でも探せます。

 

検索例3)中古のピアノ買いたいけど、前の持ち主がどんな曲を良く引いていたか教えて!!

 

   ピアノがインターネットに繋がり、機械のメンテナンス記録に相当するようなログが残っていれば、「ショパンですよ」と言った答えが返ってきます。

 

 こう言ったレベルの検索ニーズが出てくれば、当然、グーグルはアプリ連携など駆使して、自動センサー記録などを使って対応することになります。

 

■  21世紀の総合電機メーカーのアライアンス問題、どっちに秩序つけられるか

 

モノのインターネットはアップルとネストラボを中心に大手企業やスタートアップ各社がアライアンスを組む時代になりました。これはグローバルの航空業界のスターアライアンス対ワンワールドに良く似ています。但し、共に片やアップル、こなたネストラボと言う中核企業が鎮座しています。

 

グーグルとネスト陣営はサムスンやLGなど大手家電メーカーの動向が注目です。恐らく独自開発者会議を主催しているサムスンなどは自社で類似のコミュニティ組織化を実施するでしょう。但し、それはソフトウエアのアプリだけの世界です。大手メーカーはハードウエアに関しては自社開発が原則だからです。下手をすればグーグルのオープン、ハンドセットアライアンスは、空中分解するかもしれません。

 

大変な疾風怒涛の時代になってきました。

Works with Nest(動画)

Nesthome

<出所:テッククランチ>

Nestinterconnect1

<出所 http://www.toptechnews.com>

★★ Google Makes Its Nest At The Center Of The Smart Home

Comment(0)