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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

セールスフォースとLINE提携のインパクト、スナップチャット、ホワッツアップ、フェースブックメッセンジャーへのワンツーワンマーケティング波及!!?

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■  LINEの変化 マスマーケティングからワンツーワンマーケティングへ

 

中国の微信(Wechat)やカカオトーク(カカオリンク)に続いてLINEもAPIを開放していますが、企業の利用ははかばかしく無いようです。そこでセールスフォース・ドットコムとLINEが提携し、参加生活者のパミッションを得て企業が個人情報を吸い上げ、ワンツーワンマーケティング(生活者の個人属性や行動履歴を活用したピンポイント提案)を実施します。LINE自身は個人情報を活用したワンツーワンマーケティングやビッグデータ活用はやらないと宣言していたのでAPIを開放し、セールスフォースの仕組み活用を企業に促します。LINEは現在、有料で約百社がブランドフレンド制を活用しています。

 

これまでのEメール代替などのマーケティングは大きな成果を上げて来ましたが、飽くまでマスマーケティングの代替サービスに過ぎないと言う限界がありました。それを「ターゲット層を定めたピンポイントのマーケティングに高めたいと言う企業ニーズ」に答えたものです。具体的にはブランドフレンドのページとセールスフォースのExactTarget Marketing Cloudへのアクセスを組み合せてワンツーワンマーケティングを行います。

 

フェイスブックに比べてLINEのアプローチは非常に簡単な半面、ワンツーワンマーケティングにおいてはフェイスブックに一日の長がありました。今回はそれの克服です。

 

■  米国の各種メッセージサービスにブランドフレンドが一挙に波及か?

さてLINEは2014年秋に日米同時IPOを狙っていると報道されています。中国の微信(Wechat)やホワッツアップと争うグローバル展開の中でアジア三社によるマーケティングの本場、米国上陸が焦点となり始めています。今回のセールスフォースとLINE提携は米国のメッセージアプリサービスを一挙にLINE、微信、カカオトーク型のビジネスへと飛躍させる可能性が高まっています。スナップチャットやキック、ホワッツアップなど北米勢にとってはアジア三社の「ノルマンジー上陸作戦を水際阻止」する戦略と稼げる魅力的なビジネスモデルの構築が大きな課題になってています。

 

一方セールスフォースは「時は今・・雨のしたしる・・」とばかりLINEの次に「スナップチャット、ホワッツアップ、フェースブックメッセンジャーにワンツーワンマーケティングの為のExactTarget Marketing Cloudを売り込む」と宣言しています。ブランドフレンドやゲーム販売、通販などと合わせて展開すれば確実に稼げますよと言ううたい文句です。米国でエコシステムが整ったと判断しているようです。

 

■  メッセージサービスのマーケティングは米国で高度化が加速する

モノのインターネットの歴史を振り返る時参考になるのは、国内のガラケー文化やマーティングの台頭と衰退、それに触発された「一歩遅れての米国でのスマートフォンの台頭」でした。日本でアイモードなどガラケー文化、マーケティングが花開いた時、米国はパソコンによるブロードバンドの普及期でした。ブロードバンドも普及していないのに無線の携帯インターネットなんてまだまだ、精々PDAのレベルでした。(日本はそれが同時に起こった、ないしはガラケー普及がパソコンに先行した)

 

米国の場合はエコシステムが醸成されて始めて新たなサービスの爆発が順番に起こります。一方日本の場合は、猫の額のような部分的世界で新サービスが先行的に爆発します。(例え全体のエコシステムが遅れていてもです)

 

これまでスナップチャットやカナダのキックなどが述べていたのは、「マーケティングなど具体的ビジネスモデル構築は先の話であり、現在は参加者基盤とサービスの整理=エコシステムの醸成期だ」と言う点でした。それが一挙に変わり始めています。例えば先日タンゴはブランドチャネルを発表しています。ブラックベリーのBBM(ブラックベリーメッセンジャー)も同様です。LINEなど「アジア系三社とのずれ」が埋まる方向に動き出しています。

 

LINEとセールスフォースの提携は、LINEなどアジア系三社の言わばガラケー的な先行するビジネスモデル(ブランドフレンド、ゲーム、ステイッカー、通販などなど)を一挙に米国に広め、米国流の洗練したサービス(スマートフォン的なサービス)を生み出すきっかけになるかもしれません。

 

いよいよ米国のメッセージサービスがビジネス浮上するエコシステムが整ってきたようです。ここが注目点です。

■  LINEの上場、微信の動きと連動する米国メッセージサービスの活性化

2014年秋にはLINEが東京とニューヨークに同時上場を狙っており、一挙にグローバル共和国の首都米国での全面普及を狙います。言わばローマに例えられる中心地に乗り込む訳です。

 

その頃までには米国のメッセージサービスも大きくビジネスモデル重視にシフトしているでしょう。どうやらそのきっかけがLINEとセールスフォース提携では無いかと予測されます。今年の秋から来年にかけて米国でメッセージサービスの世界で「テニスのウニブルドン現象」のような各国の代表プレイヤーが入り乱れた国際ビジネス戦争が始まると予想されます。

ワンツーワンマーケティングの事例

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<出所:セールスフォース>

波及するのかフェースブックメッセンジャーへも

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<出所:フェースブックメッセンジャー>

波及するのかスナップチャットへも

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<出所:スナップチャット>

波及するのかホワッツアップに

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 <出所:ホワッツアップ>

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