グーグルが低所得の若者の交通費を負担、サンフランシスコでの「紳士きどり」への反発、グーグルバス阻止問題は解決するか!!?
モノのインターネットが支える創造の経済時代を迎えて先進国の米国では「紳士化への反発」など再都市化の大きな課題が浮かび上がっています。(取り上げるのは2度目です)
創造の経済は創造性を発揮して高給をもらうエンジニアや金融関係の人々、コンサルタントなどを都市に吸い寄せ、これは「再都市化」と呼ばれています。昔は工場が都市に出来て荒くれ者の労働者を吸い寄せ「都市化」と呼ばれていました。しかしその後「郊外化」や「脱都市化」が進み、日本などとの競争に負けて鉄鋼の町ピッツバーグや自動車のデトロイトに代表されるように都市はさびれました。しかしモノのインターネットの成長(スマート工業社会)を背景とした創造の経済がクリエイティブクラスと呼ばれる高級取りを再度、都市に吸収し始めています。(再都市化)
しかしグーグル、フェイスブック、アップルと言った(昔のような荒くれ者の労働者でない)紳士気どりのクリエイテイブクラスの台頭の一方、レストランの従業員やコンビニでのバイトのような低所得のサービスクラス(スマート化する機械で置き換えられない仕事)も都市に登場しています。そしてサンフランシスコでは、クリエイティブクラスが町にやってきて、家賃や物価が上がり、クリエイティブクラスに相応しいおしゃれな店が増える一方元の住民は生活が厳しくなったと怒っています。とりわけサービスクラスに属する若者の低賃金層は、はなもちならないクリエイティブクラスを目の敵にしはじめ、グーグルバスの阻止や窓ガラスの破壊と言う動きに出ています。
それに対してグーグルは2年間で約860万ドルと言う交通補助金を市に寄贈しました。低所得の若者が通勤や通学に無料の市バスを使えるようにと言う懐柔策です。新たな階級闘争の様相を呈し始めているサンフランシスコのグーグルバス阻止問題は、これで解決するでしょうか?
「紳士気どり」は懐かしい言葉です。昔、背広など工業社会における男性の制服が確立した時代、ダンディなど没落する貴族が金もうけに走る新興ブルジョア総を批判して「紳士気どり=ジェントルマン」を演じました。そのお洒落が背広やモーニングとなり、広く世に普及したと言う訳です。
<出所:テッククランチ>
市内に散らばるサンノゼなどシリコンバレーへのシャトルバスのバスストップ
アップルやフェイスブックなどだけでは無く、様々なシリコンバレーの企業がシャトルバスを自社で運営している。