パラマウント映画がフィルム廃止を発表、電子映画化するネットサービス型ハリウッド企業のトップを走る
<出所:ロサンゼルスタイムス>
35ミリのフィルムの時代(アナログフィルム)が終わります。パラマウント映画が主要映画は全てデジタル配信すると発表しました。そして21世紀フォックスやディズニーも早速、追随すると見られています。(2014年中に一挙に広まる見こみ)映画「The Wolf of Wall Street」からデジタル配信オンリー政策が開始されます。
その結果、米国の映画館40,045館の内、デジタル化されていない約8%は潰れるでしょう。(日本は2012年末時点で全国スクリーン総数3290のうち、2897スクリーンがデジタル化されています。約1割のアナログ映画館が残っていますが、デジタル化の費用はデジタル映写機の購入など最低でも約1千万円かかります。)3D映画アバターの影響がデジタル映画館化を促進しました。
■ ネットサービス型ハリウッド映画の時代
アナログフィルムの映画を一本コピーすれば約2千ドルかかります。一方デジタル映画のコピー費用は約100ドルです。(映画アバターなど作品に湯水のごとくお金を使うハリウッドにとっては微々たる経費削減でしょうが)
そして無論、アナログフィルムから解放された結果、3D映画化なども促進されます。
それ以上に注目すべきは、映画を映画館や各家庭などにクラウドサービスによりストリーミングサービス(SVOD)で提供できる点でしょう。レンタルでなければウルトラバイオレットのサービスが示した未来(一度映画を買えば家族6人が一生涯、ロッカーサービスから引き出して映画を楽しめるサービス)が促進される点でしょう。映画がサービスへと完全に変化し、映画会社もネットサービス型ハリウッドへと変化します。その内主演女優のドレスの色を赤や青など消費者の好みのテクスチャーに変更できるようになるかもしれません。
またディズニーが既に人魚姫のリメーク版で子供達に「劇場にアプリをダウンロードしたIPadを持ってこい」と指令を出したように映画を見ながらARを楽しみ、クイズを楽しむスタイルの経験提供も増えるでしょう。
映画と言う「モノ支配論理」がネットを背景としたソフトウエアにより「サービス支配論理」へと変化します。35ミリアナログフィルムの廃止は、映画のハイブリッド時代に終わりを告げ、このトレンドを促進します。
■ネットサービス型映画館の時代
シネマコンプレックスなどデジタル映画館はホテルの映画視聴と同じでLANや無線LAN(WiFiネットワーク)などにより、複数のスクリーンにオンデマンド配信される方向に移行しています。今後映画の配信はオンラインカラオケと同様にネット配信が進みます。そうなれば封切り期間中に地域の映画館のクラウドサーバーにアクセスして家族料金を支払い、自宅の居間で高齢者などが最新映画を楽しむ方向に早晩、向かうかもしれません。また国内でも東宝が熱心な“ODS”( “ODS”とは“Other Digital Stuff”の略)のように舞台挨拶やオペラ、バレー、スポーツ中継を関係する劇場(映画館)に配信したり、一つの映画館でのイベントを他の映画館にネット配信する時代もどんどん進みそうです。そうなれば個々の映画館はアマゾンのミニチュアヘリと同様にドローン(ネットワークの中の一匹の蜂)と言うことになります。
まさしくネットサービス型映画館の時代ですね。
そうなれば映画館訪問の価値は映画館と言うプラットフォーム(モノの価値)の上に醸しだされる雰囲気の価値と言うことかもしれません。新宿バルト9などは正に雰囲気の価値が料金なのかと思います。近未来には自宅の居間で見るより昼間1200円で映画館で見た方が値段が安ければ映画館に行くかもしれませんが。(未来の話をしています)
映画館もO2Oやショールーミングの時代になりそうです。
■ スマート工業社会に出現するネットサービス型映画産業
モノのインターネット時代が到来し、全てのモノ(映画や映画館の施設)がインターネットに繋がる時代の変化は映画もスーパーマーケットの買い物も家電製品も車も同じコンセプト(スマート工業社会、ネットサービス型産業化)で変化します。
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<出所:ロサンジェルスタイムス紙> 最後の銀塩フィルム映画 アンカーマン2
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The Little Mermaid - Second Screen Live(動画)
正しい答えはどれ? 誰がエリアルの声を盗んだの? (ディズニーの試みは子供達に映画のIPad視聴を要請)
劇場内で自動的にチームが結成され競う!!
<出所:ギガオム>
おしゃれな雰囲気が好き☆
採点: ★★★★★
<出所:ヤフー評価>
★★Paramount stops releasing major movies on film