米国の大規模農家ではスマートトラクターによる無人・自動運転と畑の実りの状況分析(ビッグデータ)は最早、常識
米国では2012年の秋の収穫からトラクターの自動運転が登場し、2014年にはそれが本格普及する見込みであり、モノのインターネットの動きに組み込まれる中、GPSを使ったトラクターの自動運転による効率化だけでは無く、GPSを使ったドローンによる畑の実りの状況調査なども加えた機械学習による農業全体の効率化などネットサービス型農業の方向に進み始めています。(ビッグデータと呼ばれる農業の機械学習のサービスは化学品のモンサントと、トラクターの自動運転のJohn Deereが熱心です)
トラクターの自動運転は177年の伝統あるJohn Deere などの米国農機具メーカーだけでは無く Kinzeのようなドイツメーカーも参入しています。Case IHは英国企業ですが米国ウイスコンシン州に本拠を置き、ファイアットの資本が90%入っているグループに属しています。
面白いのは一台の自動運転トラクター(但し人は乗ってる)がもう一台の自動運転トラクターを引っ張っぱり、収穫した穀物を積み込むカートを自動運転で引き連れたりしている点でしょう。John Deereでは先頭の一台だけを人が動かして右と左の畝を自動運転のトラクターが動かす操作もできるようです。これはグーグルの自動運転カーの議論の中で出て来た高速道路を先頭のトラックだけにドライバーが乗って後ろの数台のトラックが無人運転と言うコンセプトと類似していて面白いです。無論、完全な自動運転も各社で実現されています。
2014年には化学品のモンサントと、トラクターの自動運転のJohn DeereがMidwestで農業データの分析(ビッグデータ)の本格的なサービスを開始しようとしており、米国農業省(the American Farm Bureau Federation)「農家の収穫などデータを外部企業に渡すのは慎重にすべきだ」と警告を発する程、ブームが加熱しています。色々な指摘がありますが、John Deereやモンサントなどが州全体の農業の状況を可視化できれば、穀物先物市場に介入し価格操作をするのではないかと言う懸念も出ています。
日本では北海道で実験が繰り返されています。一方クボタやヤンマーは2017年、2018年に市場参入するそうです。
スマートトラクターなどのスマート革命は、サービス支配論理が価値生産の鍵ですが、日本のヤンマーやトラクターのGPS自動操作だけでは無くクボタも畑の収穫状況、実りの分析などのサービス提供に出ると思われます。まさしくスマート工業社会に対応したネットサービス型農業機械メーカーへの転身です。そのきっかけが自動運転ですね。
Auto Steer John Deere 8230 pickett bean cutter (自動運転動画)
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一台に人が乗り二台目が自動運転のJohn Deere
<出所http://www.npr.org>
★★ Should Farmers Give John Deere And Monsanto Their Data?
★★ 自動運転の波はトラクターにも、ヤンマーが2017年に量産へ
★★ 無人トラクター、18年度実用化=クボタ会長インタビュー