韓国LG電子とLINEのホームチャットはスマート革命の未来、操作やコミュニケーションにおける人とモノの区別が消える世界が現実になる・・
米国の沙漠都市ラスベガスで行われているCES2014においてスマート革命(モノの価値よりソフトウエアの作りだすサービスの価値が重視され、全てのモノがネットに繋がる時代)のセンスを代表し、非常によく表現していると思われるサービスが発表されました。
韓国LG電子とLINEを活用して発表したスマート家電(スマートホーム)のホームチャットです。LINEから例えば「冷蔵庫のビールは後何本残ってる?」とメッセージを打ち込めばスタンプと一緒に「あと三本です」とメッセージで返事が返ってくるサービスです。冷蔵庫の中の写真をとってメッセージアプリに送ってくれます。これは早晩、音声メッセージの活用が追加されるでしょう。いずれ音声で指示すれば、メッセージアプリの写真で返事が返ってくると言うのもありのようです。韓国LG電子はLINEの他にカカオトークやホワッツアップを追加すると発表しています。
韓国LGはWebOSによるスマートテレビを発表するなどアップル並みの頑固な会社ですが、標準アプローチ主体のサムスンに比べてマジックリモコンによるスマートテレビの実現など未来を先取りする感覚を持っています。「モノと人の操作を一種の会話と考え区別を外した」訳ですね。
筆者は「ホームチャットはモノのインターネットの未来を先取りしている動き」と思っています。何故ならスマート革命の時代には「モノはアプリとクラウドを背景とした機械学習により、ソーシャルロボットになる」「モノと機械の境目があいまいになる」と見られているからです。ネットを背景としたソフトウエアのパワーによってあらゆる家電などが現代のピノキオ(ロボット)に変わる時代にはソーシャルメディアと機器操作(音声操作やゼスチャー操作へとユーザーインターフェイスが変化する)を区分する理由は何もなくなります。
21世紀に注目されているフランスの科学人類学者のブルーノ・ラトウールは「人とモノが混然一体となるハイブリッドなネットワーク時代」を提唱しています。
韓国LG電子によるホームチャットの他にもわざわざツイッターなどからテレビを操作したり、録画予約をする動きが注目されています。また日本のトヨタはSNSの「トヨタフレンド」においてプリウスへの友達申請と会話を実施しています。グーグルの買収したトラフィックSNSのウエーズは、車が位置をメッセージします。一方中国のテンセントのスマートテレビはメッセージアプリである微信(ウイーチャット)からの操作を中心に据えています。このように人と人、人とモノのコミュニケーションの区別が自然に消える時代が始まっています。
そうなればパソコン発想から十分に抜け出せないフェイスブック型のアプローチでは不十分であり、LINEのようなメッセージ型、音声型の哺乳類ソーシャルメディアの時代が来たと今さらながら思います。
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プレスカンファレンスの最初にホームチャットの話が出て来ます。
LG CES 2014 Press Conference (LIVE STREAM) (動画)
<出所:テッククランチ>
<出所:エンガジェット>