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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

チャネルのアンバンドリング実施を強いられた米国CATV業界

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買収が噂されるCATV米国2位のタイムワーナーケーブルですが、この夏CBSとの再送信料値上げ交渉が決裂し、約1月間のCBS放送ブラックアウトが起こった結果、約30万人の視聴契約を失っています。(CBSの再送信料は契約者一人当たり2ドルになると言う報告もあります。)批判はタイムワーナーに向いており、数100チャネルがバンドルされ、毎月100ドルもする有料チャネルに対する風当たりは人気のCBSにはかなわないようです。

 

その結果、ネットフリックスのようなインターネットのストリーミングや通信キャリア系の有料テレビサービスに押され気味の米国CATV業界は1位のコムキャスト、2位のタイムワーナーケーブルなど遂にアンバンドリング(400チャンネルを提供するのではなくチャネルの小口売り)を開始しています。今回の特長は少数チャネルの小口売りとインターネットのストリーミングサービスとブロードバンド販売などを組み合せている点が特徴です。

 

米国CATVにとってはこれまで通信キャリア系の有料テレビや衛星テレビがライバルでしたが、ここにきてインターネット有料映画とテレビドラマのネットフリックスを意識し始めています。ネットフリックス対抗と言う事で人気の映画チャンネルHBOを全面に押し出しています。

 

契約者を次第に失いじり貧に陥っているタイムワーナーは、月額30ドルでスタータープログラムを実験的に開始しています。ネットフリックス対抗の映画チャネルのHBO とタブレットやスマートフォンなど用のアプリHBO Goを組み合せ、CATVサービスとしてはHBOとローカル局地上波を含む20チャンネルを提供します。

 

一方CATV米国1位のコムキャストは月額40ドルで10月に始めたインターネットプラス(internet access, HBO and local TV channels for $40)が知られています。

 

共和党の有力者マケイン上院議員が「CATVのアンバンドリング促進法」を議会に提出したり、民主党のロックフェラー上院議員が「番組提供義務のインターネットサービスへの拡大法案」を議会に提出するなど中々進まなかった米国CATVのアンバンドリングが進み始めました。

 

アンバンドリングが有料テレビ業界に波及すれば、契約単価が下がりますから有料テレビ各社(特に中小のCATV業者)は次第にインフラ維持コストが重荷となり、放送や映画のインターネットへのシフト(ライブもオンデマンドも)が進むでしょう。

 タイムワーナーの月額30ドルのプログラム

twc starter tv

 コムキャストのインターネットプラスは月額40ドル

comcast internet plus

 <出所:ギガオム>

 

★★Time Warner Cable next to embrace cheap HBO bundle

★★Time Warner's big gamble in its battle against CBS

★★Did Comcast just take a first step towards unbundling HBO?

★★Source: Comcast Launching HBO Broadband Bundle Aimed at Netflix

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