グーグルが軍事用ロボット企業ボストンダイナミックスを買収した訳
グーグルの元アンドロイド開発リーダーのアンディ・ルビンさんは次のムーンショットにロボットを選んだと発表しています。既に日本のシャフトを含む七社を買収していますが、次に買ったのは軍事用(ペンタゴンやDARPAが発注者)で有名なボストンダイナミックスでした。但し、ボストンダイナミックス(1992年設立)はロボットの研究開発企業です。言わば本田技研のような研究所の役割ですね。あの有名なソニーのアイボ開発は同社のコンサルティングを受けて実施されました。
チーターやペットマン、ビッグドッグ、ワイルドキャットなどの名前がつけられた様々な軍事用ロボットを試作しています。壁をよじ登る動物型ロボットなどアニマルキングダムがテーマの会社ですから。浜辺や雪道のぬかるみや砂漠を越えて進みます。
アマゾンのドローン(ミニチュアヘリなど)もそうですが、ネットサービス型ロボット研究では軍事目的の研究が一番進んでいます。日本のモノ作りロボットは単体で作業するのには適していますが、通信機能やインターネットとの連動によるソフトウエア操作で動かすと言ったスマート工業社会要素の活用と言う点では、必ずしもトップクラスではありません。(大量生産の工業社会のモノ支配論理とソフトウエアが動かすスマート工業社会のサービス支配論理では哲学やアプローチ法が異なります)米国は軍事利用により通信機能やインターネットとの連動によるソフトウエア操作で全ての機器をロボット化し、ロボットを動かす開発作法を身につけています。
グーグルはこれを民間転用し、グーグルグラスのような消費財だけでは無く、コマツのトラクターの自動運転やGEの航空機診断のような生産財をもロボット化して産業インターネット(M2M)の世界にも出たいのでしょう。倉庫の部品運搬やパッケージの配送など幾らでも用途は考えられます。
ノウハウ提供やモジュール部品の提供などビジネスの形も今後、色々考えられます。
音声やゼスチャー、顔認識で人とコミュニケーションをとるスマート機器化(ソーシャルロボット)を越えて、機器同士が蜂の一匹のドロンとなってネットワークの中で生態系の一部を構成する機器全体(全ての機器)のスマートロボット化の時代がやってこようとしています。
グーグルは本格的なネットサービス型製造業、ネットサービス型産業に脱皮しようとしています。さて興味が尽きないのはアップルはどう出るのでしょうか?
以下動画です。
★★Google buys Boston Dynamics, maker of spectacular and terrifying robots
★★google-has-bought-robotics-company-boston-dynamics