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今度はグーグルがNASA(米国航空宇宙局)を動かし始めた!!

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 アポロの月面着陸や火星探査で有名なNASAが「グーグルが資金を出すプロジェクト(Google Lunar X Prize)」に飛びついています。グーグルは民間企業に対して宇宙船(robotic spacecraft)を月面に送り込んで二枚の写真を地球に送り帰還させるプロジェクトを提案し、2015年末までに実行する計画の提出を求めています。採用された計画には報奨金を総額で4千万ドル出すと言っています。昔と異なり中国の宇宙船ですら月面着陸できる時代であり、費用も昔なら三億ドルかかったものが現在では技術が進み、約二百万ドル程度と言われています。複数の民間プロジェクトが競い始めているようです。

 グーグルのThe Google Lunar XPRIZE

 

<出所:グーグル>

NASAがこれに乗っかって月面で植物栽培の実験を実施しようとしています。電子部品を一杯詰め込んだハビタットと言う鉢の中でひまわりやバジルを育てます。当然、ネット経由で観察したりデータを収集します。また同様のハビタットと言う電子部品を詰め込んだ鉢は多くの学校にクラウドソースにより配られ、月面実験と比較するコントロール実験を行います。特別仕様のカメラとロボット探査機が活躍します。子供達には理科の実験になると言う訳です。クラウドソースの結果、実験費用が大幅に節約できます。

 

地球以外の環境で植物の育成に成功すれば食料の生産を飛躍的に高める農業革命などのきっかけになりそうです。無論、火星探査などにも有効です。

 

昔はあれほどチャレンジングだったNASAも数々の成功により官僚化が進んでいて、失敗リスクをとらない体質に変質しています。NASAも元来は政府組織ですから。しかしグーグルのような民間資金を使えば失敗しても非難されることはありません。そこでグーグルの推進力が宇宙開発を活性化させ、インターネットのスタートアップ企業のような数々のイノベーションを生むきっかけになると言う見方が台頭しています。

 

ネットサービス型広告業、そしてネットサービス型製造業への脱皮を図るグーグルは自動運転の提案で自動車業界を動かし始めています。そして今回の提案で宇宙開発事業もグーグルが動かし始めました。工業社会からネットサービス型産業の動かすスマート工業社会への変化に宇宙開発事業も巻き込まれ始めました。

 

 

ナサのハビタット計画

<出所 NASA>

★★NASA's Next Frontier: Growing Plants On The Moon

★★ NASA、グーグルの手を借りて月面に植物栽培

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