スマート革命とパソコン・ガラケイ型SNSの運命、ミクシィが遂に赤字転落なのか・・・
<序文>
2013年8月9日、通常よりも遅れて発表されたミクシィの2013年4月―6月期決算が上場以来初の赤字だったそうです。広告及び課金売り上げが共に減少し、約2.5億円の赤字を計上しています。
パソコン・ガラケイ時代に最も適応し、一世を風靡したミクシィです。しかしスマート革命が進行し、パソコンからスマートフォンやタブレットなどに生活者が次第に移行する中、一番の問題はスマートフォンからのアクティブ利用者数が減少している点でしょう。(2013年3月993万人、6月795万人)
スマフォファーストの矢がしっかり届いていないと言う事なのでしょうか?
最近の米国のソーシャルメディアの評価は、パソコンは無視に等しく、スマートフォンからの参加者数に焦点を当てていることから見てもミクシィの危機は何よりもスマートフォン参加者の減少と言うことになります。その次の指標がスマートフォンでの売り上げ(広告と課金など)です。(米国におけるフェースブックの場合には、実参加者数と言う視点から若者離れが指摘され、売り上げの視点からスマートフォン広告に焦点が当たっていました。)
ミクシィニュースやミクシィ日記を単体アプリとして切りだすと言う「シンプル戦略」は正しいと思われますが、スマフォエンジニア比率を現行の8.8%から44.0%に引き上げるとするなどは、打つ手が遅い気がします。(それでも期待するしかないのでしょうが)
ミクシィは果たして復活できるのでしょうか?
★★株式会社ミクシィ 2013年度 第1四半期決算説明会
★★ ミクシィ、上場来初の赤字転落・4~6月期 「厳しい状況だが立ち止まらない」と朝倉社長
<出所:itmedia、ミクシィ>
<パソコンとブラウザー上にWebアプリの戦艦大和を作る時代は終わった>
2007年からフェースブックが開始して大成功したパソコンとブラウザー上にWebアプリの戦艦大和を作る戦略を、ミクシィも遅ればせながら採用し、サンシャイン牧場などソーシャルゲームでアクティブ参加者数が倍増し、一時は勢いを盛り返すなど、ミクシィ復活と言われた時期もありました。
しかし新しいサービスのツイッターや本家のフェースブックの進出の中で停滞気味の処にスマート革命と呼ばれる隕石が落ちてきて2011年第四四半期を境に売り上げの低迷が始まっています。2011年第四四半期とはスマートフォンが国内でも爆発的に売れ始めた時期であり、丁度、LINEが無料電話とスタンプのサービスの開始と共にテレビCMを通して爆発的な成長を開始した時期と重なります。(何故かあいうえおんがくなんかが受けたんですよね)そうなれば今回の赤字は、LINEなどとの戦いに負けたスマートフォン敗戦の帰結と言う見方が正しいと言うことになりそうです。
確かにミクシィが理解している通り、スマートフォンと言う哺乳類環境のエコシステムは、小さくシンプルな仕組みの緩やかな連結(言わば疎結合)であり、言わば航空兵力に例えられます。ミクシィ日記を単体アプリとして切りだすなどは、ブラウザー上にWebアプリの戦艦大和を作る従来のフェースブックのやり方や環境とは全く異なります。
それにしてもスピードが遅いですよね。丁度、スマートフォンでアップルのiPhoneに最初に追いついたサムスン電子のギャラクシーS4だけが売れる一方、その後追いで登場したHTC ONEなどが大してスペックが変わらないにも関わらずあまり売れない理由もそこにあります。幾ら良い製品を開発しても「天の時、地の利、人の和」特に天の時を外すと勝てません。
(どじょうは二匹まではいるようですが、三匹まではいないと言う事でしょうか?)
如何に天の時に追いつくか? ミクシイのスピード戦略に期待しましょう。