スマート革命と選挙の悲哀、今回のインターネット選挙は試運転、面白いのはアメーバピグ、鈴木寛さんの落選は残念だが時代の流れ
スマート革命と選挙の悲哀、今回のインターネット選挙は試運転、面白いのはアメーバピグ、鈴木寛さんの落選は残念だが時代の流れ、
<序文>
2013年7月の参院選挙は日本発のインターネット選挙でした。そこで勝手な所感を述べてみたいと思います。
圧勝した政府与党の中、自民党はホームページ、フェースブック、ミクシィ、ツイッター、LINEなどの他にグーグル+まで動員し、果ては6個のアプリ(内2個はフェースブック上のWebアプリ)まで製作して、インターネット選挙対策が盤石の体制でした。無論、動画サービスのYouTube、ニコニコ動画やUstreamも全面的に活用されています。
その中で民主党や自民党、維新などのアメーバピグは面白いですね。民主党の海江田代表、細野豪志幹事長、自民党の安部総裁、石破幹事長らがアバターになって選挙運動をしています。維新の石原、橋本両共同代表もアバター登場です。
しかし与党の過半数獲得の勢いが強いと序盤から報じられた為かインターネット選挙の実施に関わらず、投票率は下がりました。(52.61%と戦後三番目の低さ)この点が韓国や米国と異なります。
その中で激戦の東京選挙区では民主党の鈴木寛さんが落選されました。ICTに深い理解がある数少ない議員さんであるだけに残念ですが、これも時代の流れで致し方ないでしょう。しかし米国のインターネットを駆使して接戦をものにした民主党オバマ大統領とはあまりにも結果が対照的です。ネットに強い議員が敗れたのも今回の選挙の特長と言えましょう。
インターネット選挙は未だ試運転の感のある日本の実情ですね。
★★ 海江田万里民主党代表、フェイスブックに独自ガイドライン
これは石原さんと橋本さんですね。
<出所:ハフィントンポスト>
<投票率が上がらず下がった訳>
米国や韓国ではインターネット選挙が盛り上がると投票率が上がっています。しかし日本は下がってしまいました。まだまたインターネットが社会に定着して社会を変革するまでに至ってないと言うことでしょう。その点が「社会変化がダイナミックな米国と資本主義が若くて柔らかい韓国」との差でしょうか。
<鈴木寛議員が落ちたのは残念だが・・>
鈴木寛議員は前回の2007年には仮想社会のセカンドライフで選挙戦を戦うなどインターネットやICTによる社会変革には非常に理解があった方です。
民主党にはICTやインターネットに理解がある議員は藤末健三さんや鈴木寛さんなど非常に数が少ないのが特徴です。その結果、民主党政権は選挙公約までしたインターネット選挙を実現できませんでした。一方復活した自民党は世耕弘成座長の下、早速、インターネット選挙実施に踏み切り、平井卓也議員(元西日本放送社長)の指導のもと六つのアプリを制作しています。明らかに組織的なコアコンピタンスにインターネット活用取り込むことに成功しています。
政治は如何に人柄がよくても組織展開が出来ないと中国共産党などにしっかり対峙できません。その点で自民党が優っていたと言う訳ですね。孤軍奮闘する個人の限界と言う事なんでしょう。
<民主党のガイドラインを作らせたのは在特会らか?>
メディア論の第一人者である東大の石田英敬先生も指摘されているように「グローバリズムの進展は同時にナショナリズム運動」を生み出します。インターネットはグローバリズムを推進すると共に同時に右翼運動=ナショナリズムを刺激し、醸成する面もある訳ですね。(これは前置きです)
これは選挙違反と言う訳では有りませんが、今回のインターネット選挙で目立ったのは民主党に対する嫌がらせでした。特に民主党の海江田代表のフェースブックに対する怨恨感情大爆発の嫌がらせは、一部のメデイアが炎上だと報じたほどです。
民主党政権の実現から崩壊に至る市民の失望は丁度、第一次世界大戦後のドイツ「ワイマール共和国憲法」への期待と失望に類似しています。あれだけ理想的な憲法が作られたにも関わらず、ドイツは世界恐慌前後から経済の不振に苦しみ、結局、ユダヤ人をヘイトする狂信的なヒトラーのナチス党を生み出しました。「世の中を変えてくれる」と期待が大きかった民主党政権の崩壊と海江田代表のフェースブックページへの嫌がらせ、鈴木寛議員らへの数々の嫌がらせを見ていると日本でも小さなネオナチス的な動きが起こり始めているのかと感じてしまいます。
しかしこの手の動きも選挙の帰趨に大きくは関係なかったですね。
インターネット選挙の影響はこれから出て来るでしょう。