スマート革命と藤原道長、モバイル好決算に湧くフェースブックの望月は永遠に欠けないのか、インスタグラムは第二の望月になれるか!!?
<序文>
2013年第ニ半期のフェースブックの決算が予想を上回り、株価も上がり30ドル台に乗せました。広告売り上げの41%(売り上げ全体の36%)がモバイル広告からと上場時「フェースブックは、スマートデバイスでは稼げない」と心配されたスマート革命経済の転換点をフェースブックは見事に乗り切ったようです。
まずはフェースブック、スマート革命への売り上げ対応の成功、おめでとうございます。
実際、弱点と指摘されていたスマートデバイスの広告成長は四半期単位で2012年初の0%から現在の41%へと著しく、またウオール街の投資家筋の売り上げ予測をはるかに上回る数字を挙げています。
「この世をばわが世とぞ思う望月の欠けたるとこの無きを思えば」と嘗て平安時代に摂関政治を支配した藤原の道長が詠みました。これはリスク管理の発想が無い時代の話でした。一方リスクに敏感なフェースブックのCEOのマークさんは、空前の好決算にもかかわらず「フェースブックからの若者離れは無い無い」と繰り返し余計な発言をし「、インスタグラムに何れ広告を入れる」と言っています。マークさんは、「モバイルの広告売り上げ好調で当面フェースブックが潰れることは無いけれども、数年後には判らない」と感じているようです。
一体、フェースブックで何が起こっているのでしょうか?
★★Mark Zuckerberg Is Worried About Whether Teens Still Like Facebook
★★Facebook Stock Goes On A Monster Tear Following Strong Earnings Report
★★CHART OF THE DAY: A Look At Facebook's Exploding Mobile Ad Business
★★ Facebook launches local currency payments API, will officially end Facebook credits September 12
★★How Facebook Blew Its Chance To Become A Real Development Platform
★★15% Of Facebook Users Would Pay A Monthly Fee To See No Ads
★★Facebook crosses the mobile chasm. On to the search chasm!
<出所:テッククランチ>
<出所:ビジネスインサイダー>
<フェースブックで伸びたのはモバイル広告売り上げだけ>
面白い事に空前の好決算に湧くフェースブックでも伸びたのは、問題のモバイル広告だけであり、パソコン広告や仮想通貨などペイメント収入は大して変化がありません。寧ろ伸びが停滞しています。
一方マークCEOは今後「あと五億人の参加者を増やす」と言っています。しかし新たな参加者はアジアやアフリカ、中南米などのほとんど売り上げに繋がらない人々です。これではコストが次第に嵩上げされます。
また嘗てマイスペースで見られたように過度の広告の伸びは「フェースブックへの嫌悪感を増幅させるリスク」があります。特にメッセージサービスが「広告なし」を標榜している時代に「あまりに過度に広告を載せる」とマークさんが心配しているように若者がLINEやWhatsappなどに移行しかねません。
実際15%のフェースブック参加者が「広告無しの月次有料契約には賛成」と言っています。
従がってフェースブックのモバイル広告売り上げもどこまで成長するのか不透明な状況です。
<インスタグラムは第二の望月になれるか?>
確かに米国一部のビジネスブログやテックブログが指摘しているようにマークさんの決算発言に対しては「フェースブックの乗り換え船としてインスタグラムが用意されている」と言った解釈がされています。
しかし写真のメッセージサービスを含めて米国の新種のソーシャルメディアは広告を嫌う傾向があります。果たしてインスタグラムに広告を打って成功するのでしょうか?フェースブックが若者離れで衰えた場合の乗り換え船になりえるのでしょうか?
モバイル広告の成功で当面のマイスペース化(急速衰退)のリスクは消えたものの、依然としてフェースブックのスマート革命への適応の苦悩は続いています。