スマート革命と広告、アップルは広告を促進するのか(iTunesRadio)、それとも広告を排斥するのか(アップルテレビの噂)!?
<序文>
スマート革命(一人が7台のスマートデバイスを時と場所で使い分ける新エコシステム)における広告論議が面白いです。
パソコン+ブラウザー中心のインターネットにおいてはインターネット広告は、通販(物販)と並んで新サービスを支える為の収益源でした。
しかしスマートデバイスとアプリ中心、「部屋への引きこもり型」ではなく「外出先などでの“ながら型”」のライフスタイルの時代には、煩わしい広告を嫌う動きが出てきています。
さてアップルは広告が支える無料のiTunesRadioのサービスを発表する一方、アプルテレビでは広告をスキップするプレミアムサービスを検討中であり、CATVなどと交渉中と報じられています。(非公式情報)テレビ広告飛ばしは米国のデイッシュネットワークのセットトップボックス「ホッパー」が有名であり、放送業界からは蛇蝎のごとく嫌われています。それと同じ提案をアップルがしていると一部で大騒ぎになっています。衛星テレビデイッシュネットワークは孫さんとスプリントの奪い合いを巡って大立ち回りを演じた会社です。おかげで国内でも有名になりました。
アップルは一体、どっちを向いているのでしょうか?
★★Apple reportedly pitching ad skipping technology to cable companies
★★ New Apple TV service would reportedly include ad-skipping technology
<出所:バージ>
<スマートデバイス上の新ソーシャルメデイアは広告を嫌う傾向>
例えばスマートデバイス上の新ソーシャルメディアにおいては、メッセージサービスのWhatsappなどが「ソーシャルに広告は邪魔」とばかり、広告掲載を拒否した為、Pathやタンゴ、インスタグラムなども一様に広告掲載には慎重です。LINEにしてもプライベートな交流の中や横に打つ広告は認めていません。
これが広告に依存するフェースブック危機説の根拠の一つと考えられ始めています。
<スマートデバイスにも広告・宣伝要素は当然、残る>
アップルの発想は「iTunesRadio自体、音楽をダウンロード販売する為の広告」と見ている節があります。だからiTunesRadioに広告を入れても視聴者は納得すると考えています。そして有料のiTunesMatchの年間契約をすればiTunesRadioから広告を飛ばす事が出来ます。
同じようにアプルテレビにおいても「広告なしの快適なアップルテレビ」を楽しみたいならば、「有料のプレミアムサービスを使ってください」と言うことのようです。プレミアムサービスの場合には当然、動画の権利者(放送局)に対してキックバック手数料を支払います。(但し、アップルテレビのプレミアムサービスの話は非公式であり、アップルはノーコメントです)
判り易く申し上げればアップルはスマートデバイス上で広告が嫌がられている点は十分理解しており、その上で生活者に「放送事業者に対する行為の返報性」として広告を受け入れるか、それとも有料サービスを取るか迫っている訳ですね。
注)行為の返報性・・・・・何かに対する一種のお礼、心付け
<スマートデバイスでも広告は有効だが打ち方が難しい?>
ある意味でマス広告に近いオープンなブラウザー時代から閉鎖的なアプリ時代への移行の中で広告の打ち方が明らかに難しくなり始めています。
米国Huluは生活者に視聴する広告の選択を認めています。
最早、一方的な広告押しつけの時代は終わったようです。