スマート革命とビッグデータ、オープンデータ最大のピンチ、米国国家安全保障局、FBIに対するシリコンバレー各社、通信キャリアからの個人情報の提供にグーグル、マイクロソフト、アップル、フェースブックなどは実際に関わっているのか??
<序文>
2013年6月6日英国ガーデアン紙、米国ワシントンポスト紙から国家安全保障局(NSA)、FBIに対する個人情報などの情報提供(サーバーへの直接アクセスを認めることによる過去七年間の電話記録だけではなく、audio, video, photographs, e-mails, documents and connection logsの提供 )に通信キャリア3社(AT&T、ベライゾン、スプリント)、シリコンバレー9社(Microsoft, Yahoo, Google, Facebook, PalTalk, AOL, Skype, YouTube, Apple)が参加しており、ドロップボックスもまもなく参加するとの報道がなされました。ガーディアン紙の場合には、連邦裁判所が秘密裏に公認したと伝えており、一方ワシントンポスト紙の場合にはNSAのプロジェクト「プリズム」の内部文書のスライドを公開しています。これは大きな衝撃です。
目的は国の安全を脅かすテロ対策ですが、オバマ政権もその必要を認めています。
テロ対策の法案は愛国法案やテロ対策法案(Terrorist Surveillance Program, or TSP)としてWTCにアルカイダが旅客機をのっとりぶつけた9・11事件を経験した前ブッシュ政権の時からありました。
しかし今回は通信キャリアの電話傍受などの協力は兎も角、グーグル、フェースブック、アップルなどの名前が出ている為、非常に衝撃が大きいようです。グーグル、フェースブック、アップル、ヤフー、マイクロソフトなどはプロジェクト「プリズム」に対し、即座に関与を否定しています。
一方通信キャリアトップのベライゾンは「裁判所や政府からの要請には逆らえない」と協力を認めるメモを社内に流し、それが外部に漏れています。
一部が関与を認め、一部が否定し、オバマ政権も必要性を認めています。
そしてマスメディアは「個人情報保護も何もあったものではない」として一斉に「政府はやりすぎだ」との声を上げています。
「国家の安全かそれとも個人情報保護か」のビッグデータに伴う議論にまたぞろ火がつきそうです。そしてオープンデータの議論もこれに大きく影響されると思われます。
現在、米国でTVレーティングのトップを快走するCBSドラマの「パーソンオブインテレスト」や「NCIS」などは政府機関によるビッグデータの活用シーンが多数出てきますが、それを地で行く今回の報道です。
★★ U.S. Collects Vast Data Trove(ウオールストリートジャーナル紙)
★ ★Obama Defends Phone-Record Tracking as “Critical Tool” (allthingsD紙)
★★NSA collecting phone records of millions of Verizon customers daily (ガーデイアン紙)
★★Report: NSA Collects Data Directly From Servers Of Google, Apple, Microsoft, Facebook And More (テッククランチ紙)
★★Documents: U.S. mining data from 9 leading Internet firms; companies deny knowledge(ワシントンポスト紙)
★ ★Why the gov't source leaked PRISM (ポリテイコ紙)
★★President Obama’s Dragnet(ニューヨークタイムス紙)
★★Leaked documents shed light on massive government surveillance programs(バージ紙)
ベライゾンの内部メモは関与を認めている!!
<出所:バージ>
メールも写真もチャットも対象に!!
<出所:テッククランチ>
これによれば明らかにシリコンバレー各社参加してますね!!
<出所:ワシントンポスト>
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<出所:ワシントンポスト>
<政府職員がプリズムのスライドを内部告発でリークした?>
政治新聞の有名なポリティコは「何故政府の役人がわざとワシントンポスト紙に プリズムに関するPowerPoint のスライドをリークしたのか」と自問しています。
判り易く申し上げればNSAからのプリズムスライドのリークは嘗て尖閣列島で中国漁船が暴れまくった際、海上保安庁が逮捕した時のビデオが海上保安庁職員の内部告発によりYouTubeに投稿された事件と同じだとポリティコ紙は見ているようです。
そして個人情報に対する行過ぎた活用の脅威を広く国民に知らしめたいと言う内部告発だろうと述べています。またこれによりオバマ政権は国民への信頼を失ったとも述べています。
ということは米国におけるシリコンバレー各社の信頼も失墜したと言うことになります。
そうなればスマートフォンやタブレットなどの売れ行きにも影響します。
<スマート革命へのマイナスの影響、一体誰が信用できるのか?>
通信キャリアのベライゾンが関与を認め、一方アップルやグーグル、フェースブック、マイクロソフトは関与を否定しています。
一部が「僕やってるもん」と言い「一部が僕たちやって無いもん」と言っている訳ですね。
こういう状況になれば、「一体何がほんとなのか」、「誰が信頼できるのか」と米国の市民は疑心暗鬼になり始めています。
そうなれば「やっぱりGPSのアプリなんか使えば政府に筒抜けになるからやめて置こう」と言うスマート革命にはマイナスの影響が出てきます。
<国内にも影響が及ぶ>
尖閣諸島や北朝鮮の原発テロ計画などが暴露され、国内にもNSAが必要だとの声が上がる中、日本にも影響が及びそうです。