スマート革命と百貨店、ピンタレストと物理店舗、インスタグラム、フェースブックを組み合せた米国ノードストロームの面白い戦略
<序文>
物理店舗からインターネット通販(EC)=ショールーミングやインターネットから物理店舗への誘導=O2Oと言った動きは多いのですが、米国の有名百貨店の一つノードストロームは、インターネットと物理店舗の相乗効果を発展させています。(但し、全店展開はこれからです)
これまでも地域のレストランがYelpの評価を店頭に貼りつけるなどの例はありましたが、ノードストロームの場合にはピンタレストのピンの数が多数付いたと言う印を商品に貼り付けています。
そして逆に物理店舗に飾ったピンタレスト印の商品をインスタグラムとフェースブックでプロモーションしています。
生活者が多数ピンした自社商品を物理店舗で飾る。一方物理店舗のピンテレスト印の商品の写真をインスタグラムとフェースブックに投稿して来店を促進すると言う新手の手法です。
ピンテレストのマーク(多数のピンの数を獲得)を付けたノードストロームの商品
ピンタレストでのトップ評価の商品を示す表示
Shoes for sale in Nordstrom, highlighted by which are the most popular on Pinterest right now. Photo courtesy Nordstrom
<出所:ギガオム>
★★Using Pinterest’s social cred to get
in-store shoppers to make purchases
<スマート革命時代の勝ちパタンは単純サービスの組み合わせの方向>
パソコン時代からの従来型ソーシャルコマースはアマゾンやグル―ポンなどのように一つのサービスの中に様々な仕組みが複雑に詰め込まれて提供されていました。例えばアマゾンや楽天のEコマースでは商品の展示、他者による商品評価、決済などが一体となっている形です。
このような多様性型、複雑型はパソコン時代の雄であるヤフーやフェースブックなどが追求してきた形であり、ブラウザーの上に様々なWebアプリがてんこ盛りになっていました。
一方スマート革命時代の特長は「お手軽シフト(カジュアルシフト)」と呼ばれる非常にシンプルなサービスが流行ります。その典型がLINEやカカオトーク、インスタグラムなどです。多様化に当たってはそれら別々に作成されたサービスを、アプリで上手く連動させる点が味噌だと見られています。(フェースブックなどはこの点が下手ですね)
ノードストロームの賢い点は様々なお手軽なサービス(単純なサービス)を物理店舗を核に連動させた点だと考えられます。ピンテレストとノードストロームは提携関係にあります。ピンテレストはマネタタイズ=収益戦略の一環として他のブランドとも提携拡大を計画中です。
さあ、ノードストロームのアプリ活用センス、スマート革命時代の新しいマーケティングセンスに注目です。面白い実験ですね。