スマート革命とソーシャルメディア戦国時代、Whtasapp、Wechat、LINE、タンブラーなどの下克上か、守護大名から戦国大名に脱皮するグーグル、アップル、フェースブックが再度、天下を取るのか!!?
<序文>
ソーシャルメディアが戦国時代を迎えています。パソコン+ブラウザー中心時代には、フェースブックのアクティブ参加者数が10億人を超え、2012年にはフェースブックが上場と言う大輪の花を咲かせました。まるで今を去る750年前に天下を取った足利幕府の義満公時代の金閣寺、そして義政公時代の銀閣寺建立に喩えられるフェースブックの上場栄華でした。
しかしフェースブックの上場前から始まった、スマートデバイスからのアクセスが主体となるスマート革命の時代の到来により、ソーシャルメディアの世界はまるで応仁の乱の後のような戦国時代となったかのような様相を呈し始めています。小さな戦国大名(スマートデバイス大名)が多数出てきて覇を競い始めています。
一方米国ヤフーのタンブラー買収、フェースブックによる待ち受け画面(フェースブックホーム)やフェースブックフォンの動き、グーグルIO2013で発表されたグーグル+からのハングアウトの独立などパソコン+ブラウザー中心時代に勝ち残った既存のサービス事業者も対応を急いでいます。これは明らかにパソコン時代の安定した守護大名(パソコン大名)から戦国大名(スマートデバイス大名)への転換の動きです。
果たしてソーシャルメディアの領域においてスマート革命時代を制する企業は登場し、天下統一は果たせるのでしょうか?その時一体、誰が勝つのでしょうか?
★★米ヤフー、Tumblr買収を発表--11億ドル
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ミニブログのタンブラーを買収し、写真のフリッカーの参加者に一テラバイトの無料ストレージを提供してまで戦国大名(スマートデバイス大名)に脱皮したい米国ヤフーのメイヤーCEO
<下克上の動きは多様、メッセージアプリはそのひとつに過ぎない>
Whtasapp、Kik、Wecgat、LINE、カカオトークなどのOTTメッセージ・サービス・アプリと呼ばれるコミュニケーション系のサービスがグローバルに各地で急成長しています。しかしその特徴は「リアルタイム会話」「一対一主体のパーソナルネットワーク」などの非常にシンプルな仕組みが特徴であり、それが受け入れられています。グローバルにみれば各地で一斉に発生した下克上の動きです。
一方その弱点は「あまりに狭い単品サービス」との指摘があり、フェースブックなどに見られるような多様性や様々なサービスの統合と言った要素はありません。
メッセージ・アプリは社会の持つソーシャルなニーズの一面を吸収したに過ぎません。
<下克上の結果、多様な単品サービスが成長>
そしてスマートデバイスの上では多様なソーシャルサービスが「単品のサービス」として伸びています。例えば以下のようなサービスが挙げられます。そのほとんどがスマートデバイス・ネイティブ(生まれ)のサービスです。これは明らかに下克上の動きに喩えられます。(OTTメッセージサービスは横においておきます)
1、 ドロップボックスやICloud
文書や写真のロッカーサービスはソーシャルと言う視点から申し上げれば「自分との会話」と言うソーシャル要素が当てはまります。シュガーシンクなどこの手のサービスはすごい勢いで伸びています。これも単品のサービスです。
2、 インスタグラムやタンブラー
写真のツイッターと言われるインスタグラムやリブログのタンブラーなどが成長しています。これはオープンな社交型、公開型に相当します。このようなメッセージサービス・アプリの正反対の位置を占めるサービスが伸びています。これも単品サービスです。
3、 スナップチャット
知り合いとの間で写真や動画の交換をするスナップチャット(10秒以内で写真が消えるサービス)やツイッターが買収した6秒動画のバインも伸びています。
こうしてOTTメッセージング・サービス・アプリの他に多様なサービスが様々にソーシャルメディアとして、単品サービスの形で百花繚乱しています。
さながら中国の毛利家、名古屋の織田家、四国の長宗我部家などと言ったところでしょうか?摂津の高山右近はキリシタン大名として知られ、織田家は鉄砲使いなどそれぞれ単品サービスとしての特徴がありました。一向一揆で知られる摂津石山本願寺も一種の戦国大名だったと考えられます。後に天下を取った秀吉の豊臣家は百庄の出身です。
戦国時代を制してグローバル天下を統一し、フェースブックに成り代わる立場に立つには、「単品サービス」を抜け出し、様々なサービスを統合する必要があります。
<統合と天下取り=下天は夢幻か?現実か?>
80年代の末、津本陽さんによる「下天は夢か」と言う日経新聞に連載されたベストセラー歴史小説がありました。織田信長の本能寺の変までを描いています。
天下を取る=ソーシャルメディアで現在のフェースブックのような総合的なサービスに成長するには、「単品サービス」のままでは決定的に不十分であり、様々な多様なサービスを統合する必要があります。そうなれば守護大名(パソコン大名)から戦国大名(スマートデバイス大名)への転換に成功した会社、例えばグーグルやアップルのようなプラットフォーム企業が有利だと言う見方も出ています。
確かに天下を取った織田信長は様々な単品課題としての「一向一揆」「キリスト教」「国内経済の楽市楽座」「南蛮貿易」など様々な単品課題を統合的にこなして来ました。(それぞれをアプリと考えています)
では統合=天下とりは誰が候補なのでしょうか?
フェースブックの待ち受け画面やフェースブックフォン、グーグルのグーグル+からのハングアウト独立とメッセージングサービスの統合、ヤフーのタンブラー買収はパソコン大名の戦国大名(スマートデバイス大名)への脱皮の流れと考えられます。そして明らかにキーワードは単品サービスの統合=天下とりに絞られています。アップルも次回のWWDC 2013でIメッセージやフェースタイム関連など何か統合策を発表すると考えられます。
米国の様々なテックブログは戦国大名(スマートデバイス大名)への脱皮に成功したグーグル、アップル、また必死で戦国大名への脱皮を図っているフェースブックの動きは「成功すれば再び天下をとる可能性がある」と見ています。そうすれば守護大名(パソコン大名)出身の武田家や細川家、京極家のような伝統ある企業の勝ちと言う事になります。タンブラーを買収した米国ヤフーも戦国大名(スマートデバイス大名)の列に加わりたがっています。(ミクシィやヤフージャパンも同じですが)
しかしWhtasapp、Wechat、LINEなどの下克上派にも大きなチャンスがあり、今後3-5年間は目が離せそうにありません。スマートデバイス上で発生した様々なソーシャルメディアサービスを統合するのは一体、誰でしょうか?それとも長い間ずっとスマートデバイス戦国時代は続くのでしょうか?