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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

広告モデルの終焉でイノベーションの在り方が変わるスマート革命時代

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<序論>

ポストパソコン時代=スマート革命時代の特徴は、1)個人コンピューティングの新しい形の登場2)イノベーションを支えるエコシステムが変化し、支配的なビジネスモデルが変わると言う二点です。

 

まず米国ベライゾンによれば一人一台のパソコン時代は終焉し、2015年には一人七台のスマート機器を操る時代が来ます。スマートフォンやタブレットに加えてスマートテレビ、更に再発明されるパソコンやカーナビなどを加えるとそうなります。当然、新しい個人コンピューティングの形が生まれます。

 

またイノベーション環境は、パソコン+ブラウザー時代の広告支配モデルが終焉し始めています。その結果、パソコン時代に支配的であった広告モデルに頼った多くの企業が、次第に追い詰められ始めています。そしてサービス支配論理に基づく閉鎖的な顧客囲い込み企業が成長するエコシステムが形成され始めています。

 

★★ Everyone has a mobile problem: not just Facebook

 パソコン+ブラウザーに比べてモバイルの広告単価は

五分の一

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<出所:ギガオム>

 米国メディア消費の10%を支え、1%の広告売り上げしかない

モバイル市場

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 <出所:ギガオム>

 

 

 

<広告モデルの終焉の影響>

国内でも幾つか記事が出始めていますが、スマート革命時代は、パソコン+ブラウザーやテレビに比べて概ね画面のサイズが小さいなどの理由により、広告主が広告効果に確信を持てず、その結果、広告単価も広告量も少ないと分析され始めています。クライナー・パーキンスの有名アナリスト、メアリー・ミーカーさんによれば、CPMベースで比べるとスマートホン広告は約5分の一の値段だと分析されています。

パソコン+ブラウザーモデルの時代には、マスメディアから大量に移行する広告売り上げがフリーの時代を支え、その結果、電子新聞や音楽販売などのメディア関連のマイクロ取引が育ちにくいエコシステム環境にありました。

また広告モデルが効果的なのは「オープン環境」であり、パソコン+ブラウザーに対してモジュール部品として自由に組み合わせる各種のサービスが繁茂しました。例えばネット通販(EC事業)検索サービス、SNSなどがそれにあたります。

一方スマート革命時代には広告売り上げがあまり雪崩れ込まないエコシステムである為、またスマート機器とアプリを中心としたエコシステム環境であることから、ネット通販やマイクロ取引を含めてスマート機器+アプリによりサービスの為の顧客を囲い込む形のビジネスモデルが繁茂し始めています。

 

その代表がアップルであり、アマゾンであり、それを必死で追いかけるサムスンと考えられます。

 

スマート機器時代のエコシステムの変化は、2011年、国内のミクシィの決算数字に影響し、ガラケーからスマートフォンへの移行の中で広告売り上げが下がりました。またフェースブックの上場時にも広告の未来が見えない、特にスマートフォンで如何に稼ぐかが不明だと言う厳しい指摘がありました。そして四半期決算の都度、スマート機器上での広告を含む売り上げの少なさを追求されるグーグルは、遂にネクサス7とネクサスQによりスマート機器販売に出ました。そして明らかにグーグルプレイとの垂直統合モデル(閉鎖型のビジネスモデル)の方向に向かい始めています。マイクロソフトさえスマート機器時代には自社の独自機器を出し、アップルのITUNESやiCloudのようなサービスと一体化した消費者用のビジネスモデルを追いかけ始めています。

 

オープン環境に支えられた広告不振の影響はネット通販にも色濃く及んでいます。アマゾン、楽天、アップル、アリババと世界の五大ECビジネス企業の内、四社が自社スマート機器を開発・販売し、会員制度を強化し、スマート機器とサービスの一体的な統合による閉鎖的な囲い込を狙い始めています。

 

スマート革命における広告売り上げの影の薄さが、スマート機器関連及びサービス関連のビジネスモデルに大きな影響を与え始めました。

 

 

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