ソーシャル化するスマート機器とゲーミフィケーション
<序文>
2012年の米国国際家電見本市において明確になったのは、イスラエルのプライムセンス社などの技術であるゼスチャーと音声操作、ニュアンス社などの音声操作のオンパレードでした。特に有機ELパネルを発表した韓国2社(サムスン電子とLG電子)は共にスマートテレビのユーザーインターフェースとして音声操作やゼスチャー操作、顔認識を発表していました。流石は世界のテレビメーカーの主流の二社です。(一位と二位ですね。)
さてスマートフォンやスマートテレビ、スマートカーはタッチ操作、音声操作やゼスチャー操作、顔認識などの個人認証技術によって「人の友達感覚」のユーザーインターフェースが強化されています。筆者はこれをMITの社会心理学者シャリー・タークルの「ソーシャルロボット」のコンセプトで理解していましたが、一般にはゲーミフィケーションの流れの一部と説明した方が判りやすいと言う点に気がつきました。
昔からディズニーのアニメ、更にマシニマと呼ばれる3DのCG映画やゲームの世界では「椅子や机が言葉を話すのはあたりまえ」の感覚ですから「機器と友達」と言っても誰も驚かない訳ですね。
★★ 動画配信サービス「Hulu」、PS3やブラビアからも視聴可能に
★★ 動画配信サービス「Hulu」、Xbox 360からも視聴可能に
<出所:インプレス>
<ゲーミフィケーションを理解する韓国メーカー、ソニー>
2012年に欧米で販売されるテレビは大部分がスマートテレビになり始めています。そしてそのインターフェースは、音声操作やゼスチャー操作、顔認識などゲーム感覚に近くなっています。
その背景には2011年10月に出荷されたアップルのiPhone4Sが音声認識検索を入れ、同時に製造中と噂されるアップルテレビに音声認識操作を入れて来るだろうと見られている点があります。
しかし筆者はそれ以上に米国のネットフリックスや見逃し放送のHuluの視聴がテレビの場合、もっとも多いのがゲーム機(プレーステーション3やマイクロソフトのXBOX)である点を重視しています。特にXBOX360に関連したゼスチャー操作と音声操作のキネクトはこれまで千8百万本売れていますから、スマートテレビとして使いやすいと言う実績がある訳ですね。
<国内のHuluもゲーミフィケーション重視>
2011年9月に国内に上陸したHuluもパナソニック、ソニーのスマートテレビに続いて年内にPS3とXBOX360へのアプリ提供を終了しました。その他パソコンとモバイル機器アプリがありますがゲーム機も同様に重視しています。
Huluのようなサービス事業者がゲーム機を重視する訳ですから、スマートテレビのインターフェースとしてはゼスチャー操作と音声操作は実績があり、相当使いやすいと考えられます。
<機器が友達になりゲーム感覚で遊べるスマートテレビ>
2012年には韓国のサムスンとLGの2社が有機EL+スマートテレビを担いで日本市場にも登場します。(LGは既に国内でテレビを売っていますが。)そしてアップルも早晩、(恐らく年内に)国内登場するでしょう。
ニュアンス社の音声認識は既にGMのオンスターやフォードなど欧米の自動車メーカーでナビの仕組みで実績があり、EV用にレベルアップを図っています。
モバイル機器のタッチに代わるものとして一挙にスマートテレビにも普及するでしょう。
以下はニュアンス社の音声認識の仕組みにおける音声操作の事例ですが、やっぱりテレビはスピリッツを持った生き物、視聴者の友達ですね。これはゲームの世界、アバターの世界で理解すれば判りやすいと思います。
「ドラゴンTV PBS放送をつけて!!」
「ドラゴンTV ブラボーテレビの9時の番組教えて!!」
「ドラゴンTV トム・クルーズが出る番組見つけて!!」
「ドラゴンTV フェースブックに以下のメッセージ
投稿して・・」
「ドラゴンTV ジュリーにメッセージ送って
-OLD SCHOOLの再放送が週末にあるよ―」
「ドラゴンTV ジュリーに即、スカイプで電話して」
「ドラゴンTV 録画からデビットの音楽番組つけて!!」
いよいよゲーミフィケーションが家電のモノ作りに進出してきました。
日本メーカーも「手の技によるモノ作りからレゴ型のサービス作りに転換できるかどうかが勝負」ですね。ものつくりにゲーミフィケーション発想を取り入れて赤字から脱却しよう。