パーソナルクラウド(消費者クラウド)サービスと繋がり革命の凄さ!!
<序文>
アップルがiCloudを発表して以来、米国ではクラウドサービスの多様性が認識され始め、従来のエンタープライズクラウド(B2B型の企業クラウド)と異なるパーソナルクラウド(消費者クラウド)サービスの議論や動きが活発になっています。
パーソナルクラウドはエバーノートやドロップボックスが走りですが、iCloudのアップル、グーグルのグーグルミュージック、キンドルファイアーなどでアマゾンも開始した為、視聴者が音楽などを何時でも何処でも好きな機器で視聴するサービスや電子書籍をスマホで半分読んで残りをタブレットで読むなど、紀伊国屋書店などもサービスを開始しています。
国内でもICT総研さんがレポートを出されるなどした為、次第に認知度が高まっています。このパーソナルクラウド(消費者クラウド、B2C型)はエンタープライズクラウドとは全くサービス目線が異なるため、違いを描いてみました。
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<出所:フォレスターリサーチ>
<ネイティブアップスが主、HTML5が補足>
iCloudに典型的に見られるように視聴者は雲=webを意識しないで活用するのが理想となります。そうなればプル型のブラウザーよりプッシュ型のネイティブアップスが主、HTML5がそれを補足する形に進むでしょう。筆者は何時も「昨日自宅で作った原稿がいつの間にか会社のパソコンにそっと置かれている。小田急線の中でスマフォで読める。」のを何故か「魔法だ」と感じていますが、企業と異なり、生活者にはこの魔法感覚が大切だと思っています。不思議なユーザーインターフェースですよね。
一方企業クラウドはどう考えてもブラウザー中心、HTML5中心です。
<専門性を喪失する多様な機器の繋がり>
企業クラウドに対する特徴は、幾つかありますが、まず挙げられるのが多様な機器が巻き込まれる点でしょう。企業クラウドの場合、基本がパソコンとラップトップパソコンであり、後は多少モバイル機器が加わる程度です。
一方パーソナルクラウドはパソコン、スマートフォン、タブレット、スマートテレビ、ゲーム機、音楽端末、自動車など多様な機器が繋がります。
面白いことにこれらの機器は縦割りの専門性を薄くして如何なるコンテンツも乗っかるプラットフォーム化(汎用端末化)の方向に進んでいる点です。
ゲーム機が専門性を薄くしてテレビになったり、携帯電話がスマートフォンに変化して何でもありの機器になったり、テレビが高精細の画質(3Dや4Kx2K)中心の時代を卒業して量は作らず、40インチ以下はネットテレビで良いという方向に向かったり(ソニーやパナソニック、シャープなど)しています。
これはまるでファーストフードのランチメニューのような変化だと思われます。
ケンタッキーフライドチキンとマクドラルドのお昼や朝のメニューは一見、殆ど同じであり、何が違うのか判りません。でも片方は鶏料理が支えており、もう片方の後ろにはハンバーガーがあると言った点だけです。同じことがパーソナルクラウドに繋がる機器の間でも起こっています。
面白いのは個人でサーバーを立ててパーソナルクラウドを開始する動きもある点でしょう。
(上記のNASの記事参照)
<サービスの分解と繋がり>
視聴者から見ればパーソナルクラウドは、音楽、新聞や雑誌、書籍、映画やテレビ、ゲームと言った縦割りの業界の境目が消えて見えます。ばらばらに分解され、そして各機器とパーソナルクラウドサービスの中で一つのお盆の上で繋がって出てきます。
<人間関係の分解と繋がり>
パーソナルクラウド化など激しく進むICT革命の影響で視聴者自身の持つ縁、絆がぼんぼん壊れていきます。新しい縁や絆はソーシャルメディアで作り出したり、復活、温存を図る訳ですが、その会話の過程がコンテンツビジネスのマーケティング過程に重なります。
<人と機器との繋がり>
以前のセミナーなどで筆者が「スマートテレビやスマートフォンは機器が視聴者と友達になることだ」と主張しても多くの視聴者はきょとんとしていました。でも最近はかなり反応が異なります。iPhoneの音声コンシェルジェの「シリ」が典型ですが、コンピューターの使い方が「知る」から「感じる」に変化したとMITの社会心理学者、シャリータークルは主張し、それをソーシャルロボットと命名しました。スマートフォンがソーシャルロボットになり、人の友達になり始めたわけですね。
<家族、友人を巻き込む>
パーソナルクラウドは個人が企画書や音楽をどの機器でも自由に引き出して楽しむ為のものです。その発展形は家族や友人とのコンテンツの共有です。これはデジタルハウス=ホームコントロールなどを考えると面白いのですが、これはまた後ほど書きます。
コンテンツ以外の領域では電子スキーリフト券の家族での共有やポイントのやり取りなど色々イメージアップすると楽しいですね。
パーソナルクラウド、消費者クラウドの時代を楽しみましょう。