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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

iOS5の「シリ」が何故凄いのか!!

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<序文>

アップルがiPhone4Sと共に発表した音声検索の仕組みは「シリ」と呼ばれており、検索が殺到し、サーバーが落ちる(クラウドがパンクする)程の大人気です。ニューヨークタイムスに続き日経新聞も絶賛しています。英国では「シリ」の声を提供した声優が名乗り出て物議をかもしています。

音声検索はアンドロイドにもあり、「シリ」は一見特にどうということは無いという気もしますが、一体、何がそんなに凄いのでしょうか?

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<出所:ニューヨークタイムス>

★★ 英国版「Siri」の声の人、名乗り出る--アップルの警告をよそに


★★ Apple will need more than Siri to make its TV plans succeed

 


 

 

★★ What’s Really Next for Apple in Television

 

 

<繋がる革命とソーシャルロボット>

2011年米国MIT(マサチューセッツ工科大)の社会心理学者シャリー・タークルは、「一人ぼっちの二人」(英語名ALONE TOGETHER)を出版しました。

そこで彼女が提唱しているのが「コンピューターの使い方が「知る」から「感じる」に変化した」という点でしょう。そして以前から主張していた「コンピューターの使い方が計算からシミュレーションに変化した」と言う命題を合わせてソーシャルロボットと言うコンセプトを打ち出しています。ICT革命が進めば色々なものが感情や知性を持った人のお友達になると考え、彼女はそれをソーシャルロボットと名前を付けました。

 

嘗てソニーの作ったアイボやファービーなどがそれに当たりますが、日本の初音ミクなどのようなキャラクターやアバターもそれに当たります。スマートカーやスマートテレビなども米国の文脈では須らくソーシャルロボットの範疇に入るでしょう。21世紀の車やテレビはアプリと言う一定のインテリジェンスを持ち、持ち主のことをよく知っており、気持ちを理解する機械だという訳ですね。

そう考えればiPhone4Sの「シリ」は文脈や人の感情を一定理解し、まるでボーカロイドのように声優の声を使って答えてくれるわけですから、一種のソーシャルロボットと考えられます。重要な点は「シリ」が具体的な仕組みとしてサービスを開始した点でしょう。その結果、「グーグルは大きな脅威だ」と言い始め、ニューヨークタイムス誌は、アップルテレビは「シリ」が操作すると言いだしています。

 

色々な機器同士がネットでつながると共にインターフェースは、感情を理解するソーシャルな方向にどんどん行き始めています。

 

いよいよ人と機械が友達となる鉄腕アトムやSF映画の世界が現実にやってきそうですね。日本でも2012年ごろからサービスが始まるデジタルハウス(ホームICT)の時代になれば、テレビに話しかければ「部屋の照明が暗くなり雰囲気が出たり、スマートフォンに話しかければ、庭の水撒きをしてくれる」世界になるのでしょうか。

★★ Schmidt sees Siri as a 'threat' to Google's search business


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