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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

フェースブック・ファンページ作成バブルは何時まで続くのか

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<序文>

2011年前後から日本中の企業の間でフェースブックのファンページ作成ブームが始まっています。その結果、多くのITベンチャー企業の方々が、「ソーシャルメディア」や「フェースブック」の書籍を大量に出版し、セミナー経由でフェースブックのファンページ作成の仕事を取り込むための激しい競争を展開しています。

これまで「ツイッターこそ最高だ」と叫んでいたITベンチャー企業がまるで掌を返したように現在は「フェースブック!!」「フェースブック!!」と書籍などで連呼しています。まるで19世紀半ばに米国西部でおきた金採掘ブーム(ゴールドラッシュ)みたいに凄まじいです。

ちょっと見るとバブルの様相を呈しているこのブームは一体、何時まで続くのでしょうか?

★★ ゴールドラッシュ

Webサイト立ち上げブームやセカンドライフの企業シムブームの再来>

 

思えば10年以上前、インターネットに流行の兆しが見え始めた頃、日本企業によるWebサイト立ち上げブームが起こり、Webデザイナーなどの新しい職業が華やかに登場しました。その結果、渋谷に「ビットバレー」と言うインターネット関連企業(ITベンチャー企業群)の産業集積が誕生しました。

 

4年前の仮想社会サービスのセカンドライフのブーム時にも多くの日本企業がWebサイトに相当する「シム」の立ち上げブームが起こり、多くのITベンチャー企業が誕生し、参入しました。

 

しかしこの手のブームは底が浅く、一旦、ブームが去ればあっという間にユーザー企業からのお金の波が引いて行きます。セカンドライフの場合には殆ど全てのITベンチャー企業が一旦、撤退に追い込まれています。また10年以上前のWebサイト立ち上げブームは国内のインターネット関連産業を育成しました。しかしブームが落ち着き、ドットコムバブルが崩壊後は、激しい企業淘汰の波が続きました。

またこの手のネット関連ビジネスは新規参入が容易であり、一旦、手法が確立すれば、センスの良い個人企業が津波のように参入してきます。

 

<長続きしないフェースブック・ブームの特徴>

 今回のフェースブックブームの特徴は、「Webサイト立ち上げブーム」や「企業シム立ち上げブーム」と比較して以下の特徴があります。

 

ちなみにツイッターブームにおいても一般企業の参入ブームはありました。しかしツイッターがあまりに簡単なので「Webサイト立ち上げブーム」や「企業シム立ち上げブーム」と言うITベンチャー企業にとってソフトウエア開発などが絡むような「お金になる美味しい話」はあまり無かったわけですね。

1、 コンサルの要素がある。

フェースブックを利用したマーケティングやファンページの立ち上げなどで一定コンサルティングの要素があります。ちなみに筆者もあるセミナー屋さんに依頼されてフェースブックの米国におけるマーケティングについて話した所、一人3万円程度の有料セミナーに約40社もの申し込みがあり、驚きました。

これならばちょっとセンスの良いITベンチャー企業が有料セミナーをすれば、参加者が万札を支払ってでも参加する状況にあると思われます。

 

2、 ファンページ立ち上げの請負仕事

これは単なるセットアップだけなので一時金で下は10万から上は二百万円―三百万円程度(高く出せる会社は23MM)と予想されます。ここは手間がかかったセカンドライフにおける「シム」作りよりもずっと安く、精々「Webサイト立ち上げ」程度でしょう。但し、ソフトウエア開発が絡む場合には見積もりベースで一定の仕事になる可能性があります。

 

しかしファンページ立ち上げの手法が明らかになり、新規参入するITベンチャーが怒涛の勢いで増えてきますから、現在は多少儲かっても、今後はあっという間に値段が下がる可能性が高いと思われます。

セカンドライフの「シム」立ち上げ時、ITベンチャー各社は結構、稼ぎましたが、その後値段が急速に下がりました。

3、 運営業務

フェースブックのファンページの場合には、ここにお金が出ない点が特徴です。流石に日本企業もファンページの運営に月額10万円以上出せる処はあまり無いと考えられます。ちなみにセカンドライフの「シム」運営費はあるITベンチャー企業のサービスの場合、月額7万円程度でした。全く出ないか月額で数万(それも下の方)の数字だと考えられます。

 

<フェースブックブームと言う浮利を追うのか?>

 

 筆者は「フェースブックビジネスは運営で稼げないのが痛い」点だと見ています。いかにITベンチャー企業のビジネスと言えども「お金が恒常的に流れ込む仕組み(ビジネスモデル)」が見えないとブームが去った時に一挙に痛手を受け、リストラや会社を畳む羽目になりかねません。国内の多くのITベンチャー企業がフェースブック・ファページ作成と言う「浮利」を追うのは仕方が無いかもしれませんが、ゴールドラッシュ後、大もうけして残った企業は少数だったと言う点をお忘れなく。正社員は増やさず少人数で稼ぎ、いつでも撤退できるようにする姿勢が結構、重要だと思います。

 逆に社員と二人だけで会社(多くの場合、夫婦)をやっていると言った個人企業の場合には思い切って飛び込むのも良いかもしれません。フェースブックのファンページ立ち上げは、寧ろセンスの良い個人のビジネスに相応しいですから。兎に角、2011年の秋から精々冬までに稼げるならば、稼ぎましょう。

住友財閥の家訓である「浮利を追わず」と言う言葉が現代的な重みを持って感じられます。

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