2011年初の米国家電ショー延期事件でシャープ、東芝のグーグルテレビ進出が明らかになった意味
<序文>
2011年1月初に恒例の米国家電ショー(CES2011)が実施されます。テレビメーカーにとっては年の初めの米国最大の家電の祭典なので力の入れようが違います。米国家電ショー(CES2011)ではソニーやスイスのロジテック以外のテレビメーカーが多数、グーグルテレビを発表すると見られており、注目されていました。しかし突然、グーグルがソフトウエアの不具合修正が間に合わないと言った理由で出展取りやめを要請し、テレビメーカーが激怒しています。2010年3月に最初にグーグルテレビの動きを伝えたニューヨークタイムス誌の再度のすっぱ抜き記事ですが、関連各メーカーやグーグルによる正式な発表は一切ありません。その中に韓国のサムソン、LG米国のビジオと共に日本のシャープと東芝の名があります。
Google TV Faces Delays Amid Poor Reviews
Google’s Crippled TV Could Be Limping Into the Marke
Sony Optimistic About Google TV Despite Setbacks
<激怒して出展を強行するサムソン、やめたLGや日本勢>
米国家電ショー(CES2011)直前に行われた出展中止要請に対して各メーカーは激怒し、韓国サムソンは出展を強行すると言っているようです。「ソニーのグーグルテレビを引っ込めもしないで一体なんだ!!」と言う言い分なのでしょう。一方米国のビジオは家電ショーではなくビジオの独自ショーでグーグルテレビを発表するようです、韓国のLG、日本の東芝、シャープは出展を取りやめたそうです。
グーグルのソフトウエア不具合は何もグーグルテレビに始まったことではありません。アンドロイド携帯やタブレットなどの関連でLGなど各メーカーが「対応が悪い」と文句を言っているのが時々報じられています。
家電などのもの作りにスマートフォンの試作程度しか経験が無いグーグル、またアンドロイドで直接稼ぐ訳ではなく、飽くまでも広告費獲得の為の手段と考えている節があるグーグルですから、家電製品としての完成度のつめが甘いのも仕方が無いところかもしれません。これは昔マイクロソフトが企業の基幹システムにウインドウズを提供した時に言われた批判と類似しています。曰く「マイクロソフトのリセット文化が基幹系システムに通用するものか!!」またグーグルは世界を作り変えると言う一人勝ちの幻想が強く、B2Bに弱いと言う欠点があります。地上波との交渉力の無さやテレビメーカーの大切な米国家電ショー(CES2011)出展をこともなげに台無しにした今回の件などです。
<シャープ、東芝、サムソン、LG、ビジオのグーグルテレビ進出の意味>
しかし今回のニューヨークタイムスのリーク記事で明確になったのは、シャープ、東芝、サムソン、LG、ビジオなどがグーグルテレビ進出を準備していたと言う点でしょう。(ニューヨークタイムス誌が正しいと言う仮定で考えます。)これが事実ならば2011年から2012年にかけてスマートテレビの標準は欧州を除いて日米とも一挙にグーグルテレビと言う話になります。恐らく2011年4-6月にはグーグルテレビが一斉に広がり、遅くても秋には日本にも出てくるでしょう。スマートテレビのアップス開発を日本でも真剣に考える時期が来たようです。