アプルのマック用、ファイアーフォックス用、グーグルのクローム用のアップストア立ち上げによリ始まる「ハイブリッド型クラウドコンピューティングの時代」
<序文>
グーグルのクロームOSに続いてアプルがマックブックを(iPadそっくりに変えると共に)アップストアを立ち上げました。それを「グーグルは集中管理」アプルは「閉鎖的」と痛烈に批判したモジラのファイアーフォックスもモバイルとパソコンの共通のオープン且つ分散型のアップストアを立ち上げるそうです。クラウドコンピューティングには「オープンWeb」と言う主流派と「Webに死を」と言うワイアードのクリス・アンダーソンらクラウドに否定的な過激派を含むアップス派が存在します。その中でパソコン用のアップストア立ち上げが活発化し、同時に「修正型クラウドコンピューティング」と言う新しいトレンドが明確になってきました。
(アンダーソン氏の「Webに死を」の紹介)
(逆にアップス衰退説の紹介)
<ジョブスとグーグルのアップス論争>
先日、アプルのスチーブ・ジョブス氏がニューヨークタイムスの記事の内容に過剰反応して決算説明会で「オープンが勝つとは必ずしも限らない」「アプルは統合が特徴、アンドロイドはばらばら」「顧客は戸惑うだろう」と発言し物議を醸しました。それに対してグーグルはアンドロイド担当マネージャーが「アンドロイドはとっても使いやすい」と発言しただけでした。グーグルの役員は何も言いませんでした。
これはグーグルの立場はグーグルIOでの発言を聞いていると「クラウドコンピューティングが方向」「モバイルフォンなどは未成熟だから過渡的にアップスが必要」と言う立場であり、立場が大きく異なるアップス命のアプルとは揉めたくないと言う思惑があったのかと筆者は思っています。
実際、クリス・アンダーソン氏の「Webに死を」のクラウドコンピューティング否定論に近いレポート以来、論争が活発化しており、アップスは2013年にピークを迎え衰えると言う、「アップスの死」と言うレポートもあります。
<ファイアーフォックスの立場はハイブリッド>
一方ファイアーフォックスが立ち上げるアップストアは、モバイルとパソコン共通のものであり、ブラウザーと連動して動く「ハイブリッド型」です。他の特徴はオープンと分散的なネット店舗展開です。
モジラ、ファイアーフォックスがアップストアを立ち上げた訳!!?
<純正クラウドコンピューティングは企業発想のアプローチ>
これらを色々見ていると面白い世界が見えてきます。確かに「伝統的な恐竜型アップスが全て雲の彼方に引っ越す」と言う純正クラウドコンピューティングと言うのは企業の合理化、効率化発想に合っており、B2BまたはB2(C)と言うBの世界の話だと思われます。BPRと言う現代の機械的組織論、テーラーの科学的管理の発想と考えればよく判ります。一方新しいアップスは伝統的な恐竜型アップスが雲の彼方に引っ越した後の哺乳類型アップスであり、3スクリーンと言うユビキタスの流れ(パソコン、モバイル、スマートテレビ)によく合っています。ボタン一つで操作が出来ると言うCの発想、機械論ではなく生活者視点ですね。
<結論>
アップス派の過激グループは「Webに死を」とクラウドコンピューティングを否定し、純粋Web派は「新しいアップスは一時的なあぶく」と言っている中で筆者はファイアーフォックスの言う「オープンなWebの良さとデスクトップの利便性のハイブリッド」と言う発想が気に入っています。これが「ハイブリッド型クラウドコンピューティングの時代」の基本になるのかなと思っています。哺乳類型のアップスがとうとうパソコンに進出して来ました。マイクロソフトのオフィスが雲の彼方に引っ越したあとにすむのでしょうか。ご意見を。