飴玉一個100円程度の価値の「アップス」(スマートフォン、タブレット、コネクトテレビ用)は誰が開発するのか
<序文>
タブレット、スマートフォン、カーナビ、アンドロイドテレビなどマルチデバイスの議論が盛んです。そして既存の大きなアップスが雲の彼方に移住すると同時にクライアント側で働く「小さなアップス」に注目が集まっています。
数十億円の基幹系システムや1本二万円のオフィスソフト、一本5000円のゲームソフトなど恐竜アップスは雲の彼方のクラウドコンピューティング公園でジュラシックパークごっこをする一方、iPhone、iPad、アンドロイド・デバイス各種などの登場により一個0円、100円、200円から精々1000円程度のアップスがクライアント環境で繁茂する時代が始まりました。でもこんな安いアップスは一体、誰が開発するのでしょうか?
<アップ経済>
日本のグリーやモバゲータウンなどでは仮想商品(衣装や剣)が一個100円ー400円程度で売れており、その結果、両社はミクシィを売り上げ面や収益面で凌駕しています。塵も積もれば山となる訳ですね。
これが有名なビジネスウイーク誌が指摘するアップ経済です。2009年の米国は10億ドル、アジア中心に全世界では50億ドルとも70億ドルとも言われる市場規模です。仮想社会サービスのセカンドライフでは、中国人女性が仮想土地取引などで大儲けしました。一方Magslなどの話ではセカンドライフ日本人町でも年間で仮想商品の販売により主婦の女性達が個人で数百万円稼いでいます。
<行き先 その1 社会貢献と発展途上国ビジネス>
こう言ったマイクロ取引を発展途上国で立ち上げようという動きが社会貢献や社会変革に熱心な米国のNGOなどの間で動いています。
何故ならば1個100円程度のアップス(ソフト)や仮想商品(アイテム)が毎日一個ずつ売れれば発展途上国の人々は1日の食事が出来、学校に通えるからです。
そう言えば一時期、アメリカでコールセンターのコストの安いインドへの移管が流行りました。日本でもコールセンターは人件費の安い沖縄や中国などにかなり移管されています。最近ではバックオフィス業務も同様です。
さてわが国でも社長が海外帰りのネットベンチャーの中にはささいなほんのちょっとしたソフト開発などをバングラデイッシュなど、どんどんアジアの個人の人々に出す企業の話題が増えています。コストが安いからです。
筆者はアップスの開発はIT系のベンチャー企業が積極的に乗り出し、恐らく勝ち組はどんどんアップス開発を仕事がなかなか見つからない発展途上国の学生や女性プログラマーに委託するのではないかと思っています。
<行き先 その2 主婦や社員のアルバイト>
アップスの開発は家庭に入った主婦プログラマーや大手企業の技術系社員のアルバイトと考えれば、とっても良い副収入になります。セカンドライフの日本人町では明らかにゲーム会社の社員がアルバイトをして随分稼いでいました。同じ事がアップス開発の世界でも起こると予測できます。
<クラウドクラウドの面白い試み>
既に欧米のフェースブック上では「クラウドクラウド社」などによる面白い試みが始まっています。クラウドコンピューティング+クラウドソーシングと言う意味のクラウドクラウド社は、小さな仕事を仲介して個人にクラウドソーシングし始めています。こう言う流れが市場の仕組みとしてまたライフスタイルとして定着すれば、スマートフォンやタブレット、クネクトテレビなどのアップス市場は面白い発展をするかもしれません。
ああ、未来が見えるとまた本が書きたくなってきた。どこか書店がのってこないかしら。
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