ワサビが苦手だけど日本好きのマルコが果敢にも言語解説本を執筆している件
先月、大阪と東京でデベロッパーキャンプを開催した際に、イタリアよりマルコ・カントゥが来日した。彼は、元々Delphiユーザーで、DelphiやC++に関する講演やトレーニング、コンサルティングなどを行うとともに、いくつも書籍を執筆してきた。「Mastering Delphi」や「Delphi Handbook」といった書籍は日本語にも翻訳されている。
社外の海外スピーカーを日本に招くというのはなかなか難しいのだが、一昨年にエンバカデロにジョインしたことで、今回の来日が実現したかたちだ。
さて、今回マルコと1週間ほど一緒にいて、いろいろな日本を体験してもらった。「日本が好きだ」ということなので、早速ランチですしを食べたり、
大阪に着いたとたんにたこ焼きに挑戦したり。
でも、本場イタリアの人には、ケチャップでパスタという異常な組み合わせの「ナポリタン」は拒絶するしかなかったようだ。
そんなマルコとの付き合いは、2009年に日本語版を出版した「Delphi 2009 Handbook」の作業から。このときは、まだ社外だったのだけれど、ヨーロッパのスタッフ経由で紹介してもらい、翻訳プロジェクトを進めた。この当時は、言語の新機能が多く、ボリュームのある言語解説をよく書くなあと思ったものだ。
そんな彼が、今回、コテコテの言語解説書を執筆した。「Object Pascal Handbook」。Windowsだけでなく、Mac、iOS、Androidのマルチデバイス向け開発ができるようになり、特にモバイル向けの新しい需要を取り込んで、言語学習のニーズも増えてきた現在、こうした基礎からしっかり記述した言語解説は重要だ。
ということで、今回、この言語解説書を翻訳するというプロジェクトを進めている。英語版もまだドラフト2版なので、修正が加わりながらなのだが、3つのパートに分かれる400ページあまりの書籍を、各パートごとに少しずつ翻訳してリリースしている。
本日めでたくPart 2がリリース(ただし一部の原稿が翻訳開始時に間に合わなかったので、それはPart 3にお預け)。ここまでで、360ページぐらいを翻訳完了している。
現在は、こちらをドラフトPDF版として、Delphi / RAD Studioの最新バージョンを購入した方を対象に公開している。今後、書籍化を狙いたいところだが、言語解説書がなかなか売れない昨今、残りのPart 3の翻訳作業とともに、まだチャレンジは続く。
ところで、マルコには、ジャンクフードばっかりでは申し訳ないので、大阪から東京に戻る途中、京都に立ち寄り、駅近くの庭園を散策し、京懐石のランチを堪能してもらった。
いろいろ食を堪能した今回の初来日。「どの食事が一番よかった?」と聞いたら、うれしそうに「京都のランチ」と答えていた。