国際化するパッケージと慣例への挑戦
どうも製品発表やらイベントの準備やらで、宣伝っぽいエントリが続いてしまったので、ちょっとだけ一般的な話題にかかわりそうな話を。でも、仕事に忙殺されて、なかなか世間の話などに展開できないので、製品パッケージの話。「なんだ、結局製品がらみじゃないか」と突っ込まれそうですが…
製品発表と並行して、製造の準備が進みます。開発もぎりぎりまで進めますから、開発/テスト、製造、営業、マーケティングが同時進行で、作業するわけです。しかし、現在のCodeGearのリソースは、そんなに潤沢ではありませんから、多くが自分の職務範囲をちょっと広げて、部署的にも地域的にも協力しあってます。「自分の守備範囲はここですから」なんていってたら、やっていけないわけです。
いたずらに守備範囲を広げても忙しくなるだけですから、同時に効率化も考えます。製品パッケージについても同様で、外箱(といっても現在は、DVDボックスの外側の紙の部分の「くるみ」だけなのですが)も、世界共通でいけないか/いっちゃえ、という話があります。実際、日本国内でパッケージデザインを担当する専任部署はありませんから、直販に傾倒していったボーランドでは、国産パッケージデザインはとうに廃止しています。しかし、CodeGear製品は、今でも流通販売を主体でやっているため、「英語版が納品されたんだけど」というやりとりが頻発するようで、独自に日本語版用のぷるみを作るようにしています。製造上の手間は、さほど変わらず、私がちょっと数時間、Illustratorと格闘すればいいことなので、そうしています。
次に製造するDelphi 2007 for Win32のパッケージはこんな感じ。
昔の箱と違って、外箱に製品情報をてんこ盛りして、店頭で訴えるようなスタイルは今なくなっています。近所のヨドバシカメラなんかに行くと、セキュリティソフトやケータイ用ユーティリティソフトなんかは、従来どおりの箱で訴求!してますね。
CodeGear製品の場合、指名買いが多いので、最小限の修飾と、必要な情報だけでよく、実際、日本語版にする手間はたいしたことありません。ただ、No Copyロゴやリサイクルロゴを入れたり、JANコードシールを貼る場所を確保しなければならないので、英語版よりも空間が必要。文字を0.5ポイント小さくしたり、文字間を微妙に調整して行数を稼いだりして、スペースを確保しています。
ところで、こういう製品パッケージも現在のスタイルをずっと踏襲していくことはないだろうと予想しています。ひとつは、ダウンロードによる販売、もうひとつは、物理パッケージとネットワークによる供給を組み合わせたような販売です。一方で、マニュアルなど物理的な紙の情報への要望もあり、現状片輪に傾倒している提供形態をどう進化させていくかは、ひとつの課題でもあります。
効率化と顧客満足度の向上を対立軸として捉えると、とんでもない方向にいっちゃいますが、従来の慣例が必ずしもベストではないわけで、効率化しながら満足度を高める努力が大事なのだと考えます。