ほぼ毎週講話:課題解決より課題設定に意識を高める
創業時、アークコミュニケーションズの基本理念を作るのはとても楽しかった。
どんな家にしようかと、胸をわくわくさせながら、設計図をひいているような感じ。(やったこともないのに例えるのは申し訳ないが)
違うことは、設計図はそれに沿って建物を建てれば終わりだが、基本理念は一旦作っても終わりにならない。
ずっそれに基づいて仕事をするためのしくみ作りが大事である。
理念を説明するのは楽しいのだが、同じ人に何度も言うことためらいがあった。
「基本理念を浸透したいのなら、社員証の裏に理念を書いてことあるごとに見てもらったら?」「毎月唱和させたら?」「理念を浸透させるための社内報作ったら?」のようにアドバイスをくれた知人がいたのだが、気恥ずかしくて出来なかった。
今、人事システムを再構築しているのだが、これらの理念が人事制度に反映されていることは大事である。
正直なところ、人事システムを作りだした時は、あまりそれを意識していなかったのだが、結果論でかなり反映されているので、ほっとした。踏み出した方向は違っていないと言うことだ
後はブラッシュアップするだけ。
*****************本日の全体会議での話*********************
10年前、会社を興した時に7つの基本理念を作りました。
http://www.arc-c.jp/company/policy.html
私は洗脳チックなことが嫌いなので、入社時のオリエンテーション以外に積極的に繰り返し説明することをしていませんでした。
しかし設立10年がたち次のステップにいくために、回顧主義ではなく未来思考でこの理念を見直すのは有意義だと思い、私がどういう思いでこの7つの理念を作り、今後どのようにしたいのかお伝えします。
「私たちは、顧客の立場にたって、プロフェッショナルな観点から、ソリューションを提供します。」
基本理念の一つ目は、私たちが何者かを書きたかったのですが、創業時は具体的にどういうサービスをするのか決まっていなかったので、苦肉の策でこういう言い方しかできなかっということはあります。
しかし、今のアークの根幹をなしているキーワードがいくつもあります。
「顧客の立場にたって」 心
「プロフェッショナルな観点から」 技
「ソリューションを提供する」 体
特に意識はしていなかったのですが、去年作った新しい人事評価制度の心・技・体の源ですね。
さて、10年たって、あえて未来に向かって強調したいとすれば、「ソリューションを提供する」ために「解決策のある課題を設定し、顧客と共有する」を付け加えたいです。
10年前の私はソリューションを提供するためには、問題解決能力のほうが大事だと思っていました。
お客様の声に丁寧に耳を傾ければ、ほとんどの方が自分で課題を整理し、話して下さるので、「解」を捜せばよいと思っていたのです。
しかし、今は、正解が見えない不確実な時代。
そう言う時は、次によりよい一歩を進めるための課題設定能力のほうがはるかに大事。
お客様は困っています。でも何に困っているのかはっきりおっしゃらない方が増えました。
昔は、「お客様は(課題は具体的にわかっているけど)忙しくて(面倒で)私たちに具体的なフィードバックを返す時間がないのだ」と思っていましたが、今や必ずしもそうとは言い切れません。お客様も何を課題とすべきかわからず困っていることが多くなりました。
こういう時こそ、顧客の立場にたって、プロフェッショナルな観点から、次につながる課題設定をしたいですね。
そしてその課題をていねいにお客様と共有する必要があります。どんなに良い課題設定をしても、お客様が納得していなければ、押し付けでしかありません。
社内を例にとれば、2015年度にテスト導入しようと思っていた基幹システムの導入を一旦凍結しました。予算が当初予定していた倍以上かかるからです。
「予算内におさまるものを探せ」と言うのは簡単ですが、実現不可能そうな課題設定は得策ではありません。
予算を倍にして得られる効果を高める方向に向かわせるのか、予算を据え置きなら何をあきらめるのか、そしてそれは未来においてどういうインパクトをもたらす可能性があるのか?
この社内プロジェクトの顧客は大里ですが、管理チームが私と一緒に適切な課題を設定し、私と共有し、ソリューションを提供して下さることを楽しみにしています。
繰り返しになりますが、ソリューションを提供するために、「お客さまの立場にたってプロフェッショナルな観点から、課題を的確に設定し、お客さまと課題を共有すること」を、ますます意識して仕事をしてください。