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「自分だけの武器」を持たねば、フリーランスとしては生きていけない。「オリジナルの戦略」を描けなければ、コンサルタントは務まらない。私がこれまで蓄積してきた武器や戦略、ビジネスに対する考え方などを、少しずつお話ししていきます。 ・・・などとマジメなことを言いながら、フザけたこともけっこう書きます。

「週刊SPA!」に再び登場 デキる男の6つの秘訣

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 絶対に携帯電話に出ないときがある。パチンコ屋で大当たり中のときなど、こちらはひたすら確変の3・7数字が出ることを祈っている最中であって、電話に出ている場合ではないのだ。とくに最近の台は、ボタンを連打しなければならないし、ハンドルが突如レインボーに光ったり、一瞬たりとも、手も目も話せない。要は、非常に忙しいのだ。
 電話に出ない理由は他にもある。相手が仕事がらみであったら、電話に出た瞬間、相手にはピーピージャラジャラ、いかがわしい轟音を聞かせることになってしまう。何となく、パチンコ屋に居ることが、後ろめたい。
 パチンコ屋は滅多に行かないが、マラソンは日課としている。携帯で音楽を聴きながら、短い場合では10キロ、時間に余裕のあるときは20キロほど走っている。マラソン最中の電話というのも、出るのが少し躊躇われる。
 ゼーゼーハーハー、ゼーゼーハーハー。もし電話に出れば、かなりの息づかいである。この声を相手が聞けば、「朝から卑猥なコトを楽しんでいるのか?」と、疑われなくもないし、実際、疑われたことも幾度かある。しかし、マラソンしているときに限って、電話が鳴るものなのだ。
 先日も、やはり電話が鳴った。着信画面を見ると、見知らぬ番号。足を止め、ゼーゼーハーハーしながら電話に出るも、荒い息づかいのため、相手の声が聞き取りにくい。「はい? どちらさまで?」と聞き直すと、「お久しぶりです、週刊SPA!編集部です」。
「週刊SPA!」は、ちょうど1年前に取材を受けた週刊誌。私の1冊目の本『名刺は99枚しか残さない』を出版した後、「革命的! デジタル名刺活用術」という特集で取り上げてもらったのだった。
 さて、今度は何だろうか。ゼーゼーハーハー。咄嗟に思い浮かんだのが、2冊目に出版した本『就職は3秒で決まる。』。こちらはまだ取材を受けていないので、それくらいしか思い当たるネタがなかった。ゼーゼーハーハー。
モテる男の秘訣
「今回は〝モテる男の秘訣〟というテーマなんです」
「はあ?」
 ゼーゼーハーハー。ゼーゼーハーハー。「モテる男の秘訣」と言われてもなあと、空を見上げた。ゼーゼーハーハー。そんなテーマは、いくらなんでも無茶ぶりだろう...。
 とは思いつつ、急速に頭をフル回転させてモテる秘訣を考える。そもそもマラソンは「頭の回転を上げる」「新しいアイデアをひねり出す」ために日課にしており、実際、その効果は高い。そして今は、なおさら走っている最中なので、思考はビンビンに冴えている。
 まず、モテる男の絶対条件は「仕事がデキる男」。いくらイケメンでも、仕事がデキない男は、女性からするとまず魅力がないだろう。特に30代後半はこうした傾向が顕著だ。仕事はそのまま男の経済力を物語る指標となり、30代後半にもなれば、将来性はうかがい知れるというもの。女性はこのあたりをぬかりなくチェックしており、とてもシビア。このため、20代では仕事がデキなくてもモテるかもしれないが、30代後半に入るとそうはいかない。
 もうひとつは「空気を読める男」。恐らく、日本ほど空気を大切にする国はないのではなかろうか。たとえ仕事がデキても、職場で空気を読めないと、立場は危うくなりやすい。また空気をめないタイプは、取引先で何を言い出すか未知数なため、重要な案件も任せにくい。KYはプライベートでもビジネスでも、かなりキツイ。
 ゼーゼーハーハー。ゼーゼーハーハー。
 3秒ほどで、瞬間的に、モテる男の秘訣をざっと考えた。いまいち普通の話だが、後は取材のときまでに考えておけばいいだろう。それにしても、なぜ私にこのテーマ?
 ゼーゼーハーハー。ゼーゼーハーハー。
「それで...ビジネスの識者として〝デキる男の秘訣〟を語ってもらいたいのです」
 あら? そうなの? 完全なる聞き間違い...。口に出してなくて、これ幸い。
笑いがビジネスを助ける
 10分ほど話し、後日に行われる取材の段取りを決めて、電話を切った。それにしてもなぜ私に取材? と、考える。ビジネスの識者は私以外にもゴマンといるだろうし、例えば、前回受けた取材の特集を思い出しても、私よりよほど有名なビジネスマンがいたはず。
 なぜ担当編集者は、1年前、1度会ったきりの私を思い出したのか。
 笑いだ。やはり、笑い。
 前回の取材で、自宅に訪れた担当編集者を、私はさんざん笑わせた。もちろんそれは芸人のように、単に面白いことを言うワケではない。相手は仕事で訪れているのだから、それに関わるテーマで笑わせるのだ。これで、私の印象が強く残ったに違いない。
 真面目なテーマを、真面目に話しても、相手の記憶には残りにくい。特に相手が経営者やマスコミなど、普段から相当なレベルのビジネスマンに会い、相当な数をこなしている場合は、1人あたりにかける熱量が薄くなりやすい。はっきり言えば、つまらない話は切られるのがオチ。
 ところが、真面目なテーマに笑いを交えると、相手は聞いていて楽しいし、何よりも記憶に残りやすい。商談やプレゼンなど、とかくシリアスに臨みがちなビジネスの重要シーンでも、やはり同じことが言えるだろう。
 ひょんなことから取材は入るもので、私のような作家や経営者だけでなく、実は部長やマネージャークラスの立場にあるビジネスマなども、いつなんどき取材を受けるか分からない。こんなとき、きちんと喋れないと恥ずかしいし、もったいないものだ。
 取材における要諦は過去に書いたブログがあるので、コチラをご参考までに。
 そんなワケで「週刊SPA!」発売中。私が登場しているのは...正式には「ベストタイミングを逃さない デキる男の6つの秘訣」。
 でも気になるのは、その後の「人を不快にさせるアピール ワースト80」なる企画。やはり、KYはモテない男ってことなんだろうな...。

(荒木NEWS CONSULTING 荒木亨二)

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