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プログラム開発からテスト・デプロイまでを自動化できる日は来るのか

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Microsoftが、開発者用ワークステーションをクラウド化した新たなサービスである「Microsoft Dev Box」のパブリックプレビューを開始しました。

マイクロソフト、開発環境をクラウドPCとしてデスクトップ仮想化経由で利用できる「Dev Box」のパブリックプレビューを開始

プログラム作成支援ツールは進化を続けており、さまざまな機能が盛り込まれていますが、それらをセットアップするだけでも大変な作業になってしまっています。「Dev Box」では、あらかじめアプリケーション開発に必要なツール・依存関係などが設定されており、仮想マシンを起動してクラウド上ですぐにコーディングを開始できる、「Azure」の新たなサービスです。

ai_computer_sousa_robot.pngプログラム開発では、開発中のプログラムが暴走してマシンを止めたりOSを壊したりしてしまうことがあるため、これまでも開発用マシンとして別々のPCを用意するなどの工夫がされてきました。開発者用のOSとして利用されたUNIXでは、あるプロセスが暴走してもそれがマシン全体のハングアップに繋がらないよう、実行環境を完全に独立させる機能が備わっていました。今利用が拡大しているコンテナは、この機能が発展したものです。

クラウドが一般化してから、開発用に専用の仮想マシンを立ち上げて個別に動かすことが可能になり、開発環境はずいぶん改善されたと思いますが、今回のMicrosoftの発表は、さらにそのセットアップの手間を省くことができるため、開発者にとっては朗報でしょう。開発エンジニアを支えるのがMicrosoftの使命、と言っていたナデラCEOの面目躍如です。

増えるマネージドサービス

これまでのクラウドサービスは、先進的な技術をいち早く提供することで、ユーザーは恩恵を得ることができました。しかし最近では技術革新のスピードが速すぎ、ユーザー側は既について行けなくなっているのです。そこで今回のように、既存の技術をパッケージして使いやすく提供するようになってきています。これが「マネージドサービス」です。この先、さらにこの傾向が強まるのは間違いありません。

これが進んでいくと、例えば、Microsoftが先日発表したAIによる自動プログラミングとこのDev Boxを組み合わせることで、要件を入力すればAIが自動でコードを書き、用途に応じたテストケースを自動で走らせ、問題があれば修正する、というサイクルを完全自動で行うことができるかも知れません。

MicrosoftのAIのベースとなっているGPT-3はすでに自動プログラミングのデモを行っていますし、必要に応じてGitHubの膨大なソースコードリポジトリを有効に活用することもできるでしょう。要件を入れて数日放っておけば、バグの無いプログラムができあがってくるという世界が実現するかも知れないのです。そうすれば、さらにはそれを自動でデプロイし、バグなどのフィードバックもAIが自動で修正するようなことも可能になるでしょう。

こういったことは、現在あちこちに散らばっているさまざまな要素技術を使えば可能かも知れません。しかし、これをきちんと動くようにセットアップし、品質を保てるような自動学習パラメータを作り出すのは一筋縄ではいかないのです。それができるのは、大規模にサービスを提供するクラウドベンダーだけです。

今後、クラウドベンダーの差別化はこういったところで行われるようになるのではないでしょうか。Dev Boxはそういった未来を実現するための、基本となるサービスになるのかも知れません。

 

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