5GはこれまでのLANを置き換えるのか?
米国・韓国の一部でサービスが始まった5G。日本でもプレサービスが始まるなど、いよいよカウントダウンが始まりました。さまざまな実証実験も行われています。
5Gというと、「高速・大容量」がまずはクローズアップされますが、その他に「低遅延」「多接続」という特徴があります。これにより、ひとつの基地局で膨大な数の機器をサポートできるため、IoTの分野での活用が広がることが期待されています。上の記事も、工場内の製造設備をワイヤレス接続することでレイアウトフリーな生産ラインを構築するというものです。
5GがIoTを視野に入れた仕様になっていることは知っていましたが、工場内で使われるとは思っていませんでした。もちろんスマートファクトリーにはIoTは不可欠ですが、漠然と「工場内の生産設備は有線LANか無線LANで繋ぐのだろう」と思っていたのですね。
しかし確かに、セル生産でレイアウトがコロコロ変わるようなラインでは、有線LANの敷設や変更は手間がかかります。でも、それなら無線LANで良いはず。しかし、そうはうまくは行かないようです。
一般的な無産LANルーターに接続できるデバイスの台数は10台程度のようです。これだと確かに使い勝手は良くなさそうです。となると、工場の建屋内でも5Gを利用するメリットはありそうです。そのための実証実験なのでしょう。
そうするとこれまでのLANは要らなくなる?
しかし、そうであれば、もう有線LANとか無線LANは使われなくなるのかも知れませんね。有線LANは言うに及ばず、無線LANでも配線は必要ですし、電源の確保も必要です。なにより、パスワードを適切に設定していないルーターが沢山あると言うことで、セキュリティ上の問題になったりもしています。
5Gで全部済んでしまえば、面倒な配線も設定も必要無く、セキュリティも万全です。速度も、5GならLANと遜色ありません。
と思って調べてみたら、そのものズバリの記事がありました。皆さん、考えることは同じですね。
一方で、「そんなことは無い」という記事もあります。
5Gの電波は直進性が高く、物陰では到達できないなどの弱点があり、無線LANも進化しているため、結局は両方必要なのでは、ということです。工場などの見通しの良い環境では良くても、オフィスなどでは難しいのかも知れません。まあ、実際のところどうなのかは、今後明らかになるのでしょう。そのための実証実験ということなのでしょうから。
「?」をそのままにしておかないために
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