Microsoftはブレていない - 量子コンピュータでも開発者ファーストを貫く
少し前のニュースになりますが、9月末、Microsoft Igniteで、量子コンピュータ向けのプログラミング言語のプレビュー版を年末までに無料で公開すると発表しました。
昔、「コンピュータ、ソフト無ければただの箱」という言葉が流行りましたが、言うまでも無く、ソフトとハードはコンピュータの両輪です。ハードウェアの開発はもちろん重要ですが、ソフトウェアの開発環境を整えないと、非常に使いづらいか、全く使えない代物になってしまいます。現在、量子コンピュータはハードウェアの開発が先行(というか、まだまだ基礎研究段階というイメージです)している量子コンピュータですが、ハードができてくれば、すぐにでもプログラミング環境が必要になります。しかも量子コンピュータというのは、これまでとは全く違う原理で動作するため、開発手法が相当変わるのだそうです。量子コンピュータ用のプログラミング言語はいろいろあるようですが、シミュレータや開発環境(Visual Studio)と統合して提供することにまで言及したのはMicrosoftが初めてではないでしょうか。
このニュースを見て思ったのは、Microsoftはブレていないな、ということです。Microsoftは、以前から開発者(Developer)を大事にする会社でした。ソフトが重要と言っても、OSだけでは役に立ちません。使いやすいアプリケーションがあって初めて、コンピュータは人々の役に立つのです。OSの提供者であるMicrosoftにとって、開発者は文字通り「金卵を産む鶏」です。そのため、開発環境の整備には競合他社以上の精力を傾けてきました。Visual Studioは本当に使いやすいようで、ファンが沢山居ます。(私はプログラミングはしませんが。。)
Microsoftが開発者を如何に重視しているか、この動画なんかはよく引き合いに出されますよね。前CEOのバルマー氏です。
アブない人です。。^^; しかし、気持ちは伝わります。
バルマーに代わってCEOになったナデラ氏は、Microsoftの戦略を大きく変え、クラウドとOSSの会社にしてしまいました。しかし、開発者重視という点は変えていません。以前も紹介しましたが、CEO就任後に以下の記事の中で、
以下の様に言っています。
Microsoftのビジネスとは他の人々にソフトウェアなどのプロダクトを開発する力を与えるところにある
Wiredの記事にあるように、
Microsoftは開発者を取込むことで現在の地位を築いたとも言えます。Microsoftは、これまでのコンピュータとは次元の違う処理能力を持つ量子コンピュータでも、正攻法で攻めていくつもりのようです。