世界各国のGooglePlayでランキング上位を獲得するために必要なダウンロード数はどれぐらいか?
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秋から冬にかけてはスマホでグローバル展開する企業が多いので、 役に立ちそうなマーケティング情報をどんどん共有していきます。SAPさんのグローバル 支援などを見ているコンサルの山田が各国GooglePlayランキングで上位に入るた めの想定ダウンロード数をまとめていたので、スライドシェアの資料を貼り付け ておきます。
日本だとGooglePlayでもリリースから30日間だけ掲載される「人気の新着(無料)」カ テゴリでのランキング上位表示により自然流入を稼ぐという施策は、既に一般化 しつつあります。うまく行けば初月10万ダウンロード以上自然流入で獲得でき るので、AppStoreほど競争が激しくないGooglePlayでは費用対効果の高い施策と 言えます。
もちろん一番重要なコンテンツが誰も使われない評価1だらけの粗悪なアプリで あればそもそもGoolgePlayのランキングで上位に上げるのは難しいですし、逆に 超有名なコンテンツであれば少しのプロモーションで1位を獲得することもでき るのがGooglePlayの特徴と言えます。
世界でも同様にランキングによる自然流入の獲得のプロモーションを実施してい るのかと思っていましたが、実際には実施している企業はほとんどいませんでした。最も先進的な北米市場ですら、ほとんどのプロモーションはAppStore向けの もので、GooglePlayに関してはアドネットワークも開発者も試行錯誤段階にあ り、明確な勝ちパターンをつかめていないようです。 実際に大手の広告ネットワークもAppleの規制が激しくなった最近になって Androidへ本腰を入れてきた状態で、ノウハウそのものを持っていない場合が多 いです。
これはGooglePlayでこれからグローバル展開を考えている日本のアプリ開発者に取ってはかな りのチャンスです。日本と同様にグローバルのGooglePlayでも国内の勝ちパター ンを応用できれば、一気に低リスクでマーケットを獲得が可能になります。
広告市場はプロモーションを実施する企業が増えれば増える程、ユーザの獲得単 価は高騰していき、費用対効果が下がっていきます。
北米と日本市場では高騰が始まっていますが、他の国ではまだ勝ちパターンが見 えずにアプリへの本格的なプロモーションを控えている開発者がほとんどです。 このタイミングでノウハウを持って、低コストでAndroidユーザを獲得すること ができれば、世界の競合を一気に引き離すことができます。
●GooglePlayの海外も勝ちパターンは変わらず
国内においては勝ちパターンは下記の動きを各社取られています。
- ①リリース30日間「人気の新着」ランキングで露出強化
- ②5万~10万程度の自然流入獲得
- ③リテンション・ソーシャル等運用でユーザを自己増殖していく
GooglePlayは決済の違いなどは多少ありますが、各国ほぼ同じユーザインターフェイスとカテゴリで運営されていて、どんなアプリの露出を高めたいかという アルゴリズムもほぼ同じと予想することができます。(逆に各国でバラバラのア ルゴリズムを作っていたら運営が大変だと思います)
うちも全エリアでテストしていたわけでは無いですが、中国や韓国・台湾などを 除き、世界のGooglePlayは統一したルールで運用されているマーケットであると 見て間違いないかなと思います。
日本のマーケットではかなり詳細なシュミレーションデータがとれているので、 国内のAndroidの市場シェアやAndroidユーザ数から、各国のマーケットでランキ ング上位に必要なダウンロード数なども想定ですが算出することができます。
Google自体が『Our Mobile Planet』というWEBサイトを開設して、ス マホやAndroidの普及数などの詳細データを公開してくれています。こちらの データを活用して各国のAndroidユーザの想定データを算出しました。数値が小さい場合はスライドシェアのほうの大きい資料で見てください。
各国のAndroid普及状況の想定数
中国はAndroidの亜種端末が溢れていて、実態がどうかは誰も分からないので、 参考程度に見ておいてください。日本を100%と考えた時の各国の数値を比較し て見ると、アメリカ(392%)、イギリス(66%)と肌感覚的に合ってそうだな と感じます。
そこから日本でのマーケティングデータを元に、各国の「人気の新着(無料)」 ランキング上位に入るために必要な1週間のダウンロード数を、10位刻みで出 して見ました。ここでも中国はGooglePlayが使われていない特殊な市場なので灰 色にしています。
各国のGooglePlayランキング上位のために必要な想定数
ここからさらに突っ込んで、日本のデータを元にランキング上位を獲得した際に GooglePlayから獲得できる「自然流入数」の想定値も、10位刻みで算出してい ます。
各国のランキング上位に入った場合の想定自然流入数
●実は日本は世界的に見ても難易度の高いマーケット
表を見ていて感じるのは、GooglePlayの日本市場は他の国に比べるとランキング 上位を獲得する難易度が高いマーケットであることがわかります。あくまで Googleが「Our Mobile Planet」で公開している統計データから算出しているの で、競争環境やカルチャーなども含めると事情はもっと複雑にはなると思います。
それを考慮に入れても、日本はやはりゲーム大国の一つですし、ガラケー時代か らの巨大なモバイルコンテンツ市場があるので世界的に見ても最も競争が激しい マーケットといって間違いないです。
逆に考えると国内市場で結果を出せている企業にとっては、北米を除く海外の GooglePlay市場は言語の壁を除けば攻略難易度は低いとも言えます。実際にエイ チームさんの「ダークサマナー」は日本と北米の両方のGooglePlayで売上トップ 10位以内にランクインさせています。
さらに英語でアプリを展開する場合は国境を超えて口コミが発生し、各国のダウ ンロードを押し上げてくれることがよくあります。言語圏でメディアも人も繋がっていて、発信力のある北米や欧州などのメディアのパブリシティが発生する と、オーストラリアやニュージーランドのダウンロードもソーシャルメディアなどを通じて上昇します。日本や韓国などの独立した言語圏では期待できない効果ですが、グローバルマーケットを言語単位でバイラルは確かに発生します。
アプリのグローバル展開は一歩を踏み出すまでが大変ですが、一度軌道に載せる とそこで発生するレバレッジは国内市場で成功するのと比べて数十倍、数百倍規 模にまで跳ね上がります。
欧米の強力なディベロッパーが勝ちパターンを掴んで全力投資をしてくる前に、 日本のアプリ開発者には先行逃げ切り型で勝って欲しいです。
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