ワイヤレス DisplayPortの実現へ
最近は機器に搭載されている技術の多様化のため、多くの技術団体が相互の提携を通じて新しい技術の誕生を目指しています。例えば無線LAN業界団体のWi-Fi Alliance(アライアンス)は家庭への電力線通信を推進するHomePlug Powerline Allianceと提携し、Smart Grid(スマートグリッド)相互接続性の標準化の実現を目指しています。
DisplayPort規格を定めるVESA(Video Electronics Standards Alliance)は、60GHz帯の無線技術を推進する業界団体WiGig(Wireless Gigabit)Allianceと共同で、Wireless DisplayPort(無線DisplayPort)の実現に向けて、作業を行っています。
できれば、ケーブルや線等をなくし無線で機器を接続したいという希望を持っている方は多いと思います。このワイヤレスDisplayPortが現実となれば、無線でPC、モバイル端末、モニター、プロジェクターやテレビ等を接続可能となり、接続方法の選択も増えます。WiGigの60GHz技術は帯域幅が広く、DisplayPort v1.2もサポートしています。これにより標準のDisplayPortケーブルと同品質の高画質が可能となります。現在、WiGigとVESAが認証プログラムの策定について協力しています。
WiGigアライアンスはA/VおよびI/O向けprotocol adaptation layer(PAL)仕様1.0の策定を完了し、2011年前半に発行する予定です。その中で、WiGig A/V PAL(WiGig Display Extension)はオーディオビジュアルデータの無線伝送に対応し、WiGig I/O PALs(WiGig Bus Extension とWiGig Serial Extension)はコンピューターにおいて、60GHz周波数帯域による高性能ワイヤレス実装を定義しています。これらの仕様により、機器間のmulti-gigabit(マルチギガビット)ワイヤレス接続が実現可能です。
Wireless DisplayPort技術により、新しい種類の無線製品の誕生が見えてきます。多くのインターフェースの認証試験を行っている当社としてもWireless DisplayPort認証プログラムに深い興味を持って取り組んでいます。
O.J.D