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【41万人】隣の芝生はなぜ青く見えるのか、を考えるところに学びがある

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今回、機会をいただいて、システム開発文書品質研究会という学会の招待講演を受け持つことになりました。もとよりわたしはこの学会員でもないし、正直に言えば、システム開発が何たるかもほとんど理解できていないかもしれません。でも代表の先生と何度か議論させていただく中で、システム開発のプロセスと広告制作のプロセスには、実は数多くの共通点があることがわかってきました。同時に、それぞれが抱える課題と、それぞれが培ってきたワークフローがあることも見えてきました。ならば、お互いに隣の芝生の青く見える点から学びましょう、ということになり、及び腰ながらお引き受け致しました。
 
議論が面白くて盛り上がり、勢いで受けてしまったはいいのですが、案の定、準備は難航。苦心惨憺の日々を過ごしています。まず参加者が「何を知りたいか」が、やっぱりよく掴めていない。講演においては致命的かもしれません。だから何を伝えようとしても、これでいいんだと自信が持てないわけです。でもわたしにとっては、講演の準備をするプロセスこそが学び。手探りながら進めていくうちに、数多くの発見がありました。
 
システム開発の従事者は年々増加傾向にあり、直近では約【41万人】(システムエンジニア32万4,060人、プログラマ8万6,820名、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より)と言われています。もちろん職務は細分化され、川上から川下まで多数のワークフローが複雑に入り組んでいるわけですが、ほぼ全員が、いわゆる開発文書というツールによってコミュニケーションをしています。日々膨大な開発文書が流れているわけですが、その品質が、システムそのものの品質や業務効率に大きく関わっているのだそうです。

そこで今回、講演のテーマとして選んだのが、システム開発と広告制作のプロセスにみるコミュニケーション方法の類似点と相違点。一見、まったく似て非なるワークフローなのですが、紐解いていくと、意外な共通点が多数見つかりました。システム開発と広告制作、どちらの仕事も、自分一人では完成しない。そこには多くのプロセスがあり、独自のルールがあり、多くの関係者の連携があってはじめて成立しています。その仕事の成果を左右する要因の最たるものが、プロセスのフローを下支えするコミュニケーションの善し悪しにあるということです。
 
さらに掘り下げていくと、広告制作のフローでは何回も繰り返されているのに、システム開発のフローには殆ど存在しない(らしい)コミュニケーションプロセスがあることにも気づきました。自分の芝生だけを見ているとまったく気づかないのですが、ふと隣を見ると、かな~り違うのがよく見えるんですね。ちょっと抽象的な紹介で申し訳ないのですが。これがまたなんとも興味深いんです。
 
こんな楽しさが味わえるのだから、異種格闘技はやめられない。そして講演は、聞く人よりも話す人が一番得をするのです。なぜなら、話す人が一番学べるから。そんなことを再確認しながら、スライド作りに勤しんでいる秋の夜長です。

■システム開発文書品質研究会(ASDoQ)研究大会2015
http://asdoq.jp/taikai2015/

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