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●人、●%、●億円…メディアにあふれる「数値」から、世の中のことをちょっと考えてみましょう

【58.6%】 ミニノートは40歳以上の方が自宅で使用…でいいんだろうか

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 ここ数ヶ月、家電店の店頭やWebの新製品情報を眺めては、どれがいいかなぁと物色を続けているミニノートPC。新製品が出れば出るほど、迷いが増しているというのが正直なところです。私のことはさておき。PC市場をミニノートが牽引している現状を見るにつけ、ちょっと気になっていることがあります。少し前の調査になりますが、価格.comが行った「ミニノートPC徹底調査」を紹介しておきましょう。

●ミニノートPCの所有率

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ミニノートの所有率がすでにPCユーザーの1/4に達しているというのは、私が思った以上に高い普及率です。ただ価格.com利用者という調査対象を考えると、頷ける数値なのかもしれません。

●ミニノートPC使用者の年齢構成

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●ミニノートPCの使用場所

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私が注目したのは、この2つの項目。年齢別では40歳代が38.7%で最多というのは意外でした。40歳以上で集計すると過半数の【58.6%】となり、50歳以上でもほぼ20%となっています。また使用場所を見てみると、自宅がダントツの最多で72.8%となっており、自宅外での利用者はホテルなどの宿泊施設で45%が最多と、半数以下にとどまっています。この2項目を合わせて考えると、

 40歳以上の方が自宅でミニノートPCを使っている

というのがボリュームゾーン、ということになります。今回の調査には、メインPCなのかセカンドPCなのかといった点が調査項目にありませんので、ミニノートの使い方のウエイトを正しく把握することはできません。また使用場所の調査は重複回答ですから、自宅だけで使っている人が主流、とは言い切れません。さらに自宅使いでも、メインPCは書斎にあり、ミニノートはベッドサイドやリビングで使うといった人もいるでしょう。

 しかしながら、「若いビジネスパースンが、外出先で割り切った使い方をするためのセカンドPCとしてミニノートを購入する」のがメイン、というのが私の先入観でしたので、この結果は大変意外でした。

 ネット利用などに特化すればともかく、自宅のメインPCとして多種多様な用途に使うには、ミニノートの性能はさすがに非力だと感じます。特に40歳以上になると、老眼の影響も出始めますので、小さい画面の長時間利用は負担が増してきます。もし、低価格だからという理由でメインPCとして購入されている40代以上の方が相当数いるとしたら、いろんな面で不満・不都合が出てくるのではないかと、心配になってきます。
まぁ、余計なお世話なんですけど。

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 私はこれまでのエントリーで、ミニノートに求めるものを備忘録的に書き留めてきました。

  ・私が未だにミニノート購入に踏み切れない理由
  ・ミニノートはミニである、という原点

 店頭で確認すればわかりますが、現時点でミニノートの主流は、atom搭載、1Gメモリ、10インチ液晶で5万円前後といったところでしょうか。それに対して、「40歳後半に突入した私には画面が小さすぎる」「デザイン的に安っぽい」などと、わがままに不満を書きつつも、それを払拭するような製品が出始めていることも紹介してきました。

 つまり、市場の中でミニノートPCが躍進する中で、標準仕様的製品をコアにして、周辺にどんどん広がりを見せているわけです。一部の台湾メーカーが短期間で築いた市場に、今では米系PCベンダー、そして日本の大手PCメーカーがこぞって参入。市場は確実に変わってきています。この1年半足らずの短期間にミニノートが作った「低価格」「実用的」という流れは、大衆向けノートPCの市場全体を変えていくのかもしれない、そんな予感(期待?)すらしています。こんなこと考えてるから、いつになっても購入に踏み切れないのかもしれませんが。。。

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